「アイデアのつくり方」ジェームズ・W・ヤング
著書:ジェームズ・W・ヤング
アメリカ最大の広告代理店・トンプソン社の常任最高顧問、アメリカ広告代理業界の会長などを歴任。広告審議会の設立者で元チェアマン。
経験による公式
アイデアの作成はフォード社の製造と同じように一定の明確な過程であること。その作成にあたって、私たちの心理は、習得師たち制御したりできる操作技術によって働くものであり、この技術を修練することがこれを有効に使いこなす秘訣である。
パレートの学説
人間は投機的なタイプと、保守的なタイプがいる。
前者は、どうすればこれを変革しうるかと思索する人々であり、後者は投機的な人々によって操られる側の人々である。少なくとも投機的なタイプは、アイデアを作り出す先天的な才能を持っている。
心を訓練すること
どんな技術を習得する場合にも、学ぶべき大切なことはまず第一に原理であり、第二に方法である。これはアイデアを作り出す技術にも当てはまる。
全てのアイデアが作り出される方法に心を訓練する仕方、滑ってのアイデアの源泉にある原理を把握する方法が一番大切である。
既存の要素を組み合わせること
アイデア作成の一般的原理
- アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何者でもない
- 既存の要素を新しい一つの組み合わせにミジビク才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい
事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の修正がアイデアセク生には最も大切なものである。
アイデアは新しい組み合わせである
アイデア作成は5段階に分けられる。
1段階目は、資料を収集することである。集める資料には2種類存在する。1つ目は、製品と消費者に関する特殊知識。2つ目は、人生とこの世の種々様々は出来事についての一般的知識。
これらの組み合わせにより、アイデアは生まれる。
心の消化過程
2段階目は、資料の咀嚼である。
仮の、もしくは部分的なアイデアが訪れるので、不完全なものに思えても書き留めておく。疲れて嫌気がさしてきても書き留め続け、絶望状態に立ち至ったときに、第3段階に進んでよい。
3段階目は、問題を完全に放棄してなんでもいいから、自分の想像力や感情を刺激するものに諸君の心を写すこと。咀嚼したものが、今や消化過程が始まり、そのままにしておきながら、胃液の分泌を刺激するのと同じである。
常にそれを考えていること
4段階目は、アイデアの到来を最も期待していない時、もしくは朝まだ目がスッキリ覚めきってないうちに、アイデアが訪れることである。
ニュートンは、常に考えることによって引力の発見をしたと言ったが、実際は彼が田舎道を散歩していたときにやって来たのである。
最後の段階
最後の段階は、現実の有用性に合致左折ために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階である。
理解ある人の批判を仰ぐことで、よいアイデアは自分で成長していく。良いアイデアはそれを見る人々を刺激するので、その人々がこのアイデアに手を貸してくれるのである。
感想
この本は、最後に書かれている解説を抜かすと、61ページしかないうっすい本です。けれど、アイデアの作り方の本質が書かれている本なので、ずっと読まれ続けていると書いてあるし、僕も思いました。
いわゆる大企業の社員の仕事は、決められた仕事を正確に行うことが大事なので(それが社会に必要なことだし売上にも繋がるので)、決められた時間に出社し決められた机で仕事をすることが大事とされている。一方で、クリエイティブな仕事をしないといけないベンチャー企業の社員は、いつ出社してもいいし、オフィスにリラックスできるものや施設がたくさんあるのは納得できるなと思った。
僕は、"いわゆる大企業"の方で将来働くんですが、この本で学んだ、アイデアの作り方は忘れないようにしようと思う。仕事中にアイデア生みだすためにぼーっとしてたり映画見たりしてて、上司に怒られたら、この本読ませようと思います。
「リクルートのすごい構"創"力」杉田浩章
著者:杉田浩章
ボストンコンサルティンググループ日本代表。東京工業大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。株式会社日本交通公社(JTB)を経て現在に至る。消費財、自動車、メディア、ハイテク、産業財等の業界を中心に、トランスフォーメーション、グローバル化戦略、営業改革、マーケティング戦略、組織・人事改革、グループマネジメント等のコンサルティングを数多く手掛けている。
ステージ1「0→1」
メソッド① 不の発見
不を見極める3つの条件
- 見過ごしがちだが、誰も目をつけていなかった不かどうか
- 本当に世の中が解決を求めていて、既存の産業構造を変えるほどの、大きな可能性を秘めているのか
- その不を解消することが、収益に繋がるのか
メソッド② テストマーケティング
良いアイデアを成長可能なビジネスに育てることに主眼を置き、限定的な規模でテストマーケティングを設計する。しかし、VCがスタートアップを事業化し育てるように、「この時期までにこういう状態にならないと撤退」というゲートが段階的に設けられている。
メソッド③ New RING
アイデアが集まったとしても、そのアイデアをどのように事業化に繋げるか、道筋が仕組み化、構造化されていなければ、新規事業は生まれにくい。New RINGは孵化より前の段階の、アイデアを集めて選別し、ブラッシュアップする段階もサポートするし、孵化した後、雛を育てて事業を軌道に乗せるところまでも含む。
ステージ2「1→10」その1
メソッド④ マネタイズ設計の3つのポイント
- クライアントが明確であること
- 「お財布」までが見えていること
- 利益を生むオペレーションモデルが確立できていること
メソッド⑤ フィジビリで価値KPIを探し出す
フィジビリでは、ゴールである最終的な目標値と最も強い因果関係があるのは何かを探っていく。価値KPI(KPIの中でも最も事業価値に直結するKPI)が見つかると、サービスに関わる全員にとって、やるべきこと・やらないことが明確になる。
メソッド⑥ ぐるぐる図を回す
現場と経営層を繋ぐ、縦の情報の行き来を「縦ぐるぐる図を回す」と呼ぶ。異なる役割の社員が一丸となって横方向にも情報をやりとりし、洞察を重ねていく「横ぐるぐる」も存在する。
ステージ3「1→10」その2
メソッド⑦ 価値マネをしつこくやりきる
収益を伴いながら事業を拡大再生産していくために。前のステージ2で発見した「価値KPI」を使ってPDSサイクルを回してマネジメントする。
メソッド⑧ 型化を突き詰める
価値マネを実践するための基本的な行動を「型」に落とし込んで「型化」して広めたり。個人個人が持つ成功体験やノウハウなどを共有する様々な仕組みを持っている。
メソッド⑨ 小さなS字を生み出し続ける
現場の情報からいち早く、成長の原則を捉え、次の一手へ進める。絶えず小さな革新を積み重ね、新たに参入してくる競合に対する競合優位性を保つことができる。
10を超えてさらに飛躍するために
変革にはスピードが重要で、メンバー前人が自律的に速度を上げられる組織能力を磨くことは欠かせない。
市場の不をもう一度見つめ直し、自らの提供価値を再定義する必要がある。
顧客価値の置き換えパターン
- スピードで圧倒する
- マネタイズポイントを変える
- 周辺領域に拡大する
- 他社のビジネスプロセスに入り込む
経営陣の役割
人を活かす
ただ現場に権限を委譲して自由にやらせることでは、人を活かせない。共通の理念を徹底的に刷り込み、個人を追い込むことでその潜在力を引き出さなければならない。
若さを保つ
常に内部での競争を奨励し、成功者を称え、全員がそこから学べる仕組みを埋め込んでおくことが、組織の若さを保つために有効である。
器をそろえる
未来を予測し、必要になるであろうケイパビリティを磨く。大きな成長機会や自社にとっての脅威となりうる存在を取り込む。
感想
リクルートの各メソッドについて、実際のリクルートのサービスを例にして書かれていて、理解しやすかったです。「世の中の全ての事業はこのモデルに当てはめることができる。」というリボンモデルに沿った説明になっていました。下の図、リボンの形してますよねw
リクルートホールディングス アニュアルレポート2016 「OUR GROWTH ENGINE」より
この記事読んでわかったと思うんですが、リクルートは用語を作って共通認識をとっていくのが得意と言われていて、来年の春から働くのでこれ読んで予習しておこうと思います。
「人生の勝算」前田裕二
著者:前田裕二
1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入社。11年からニューヨークに移り、北米の機関投資家を対象とするエクイティセールス業務に従事。株式市場において数千億〜兆円規模の資金を運用するファンドに対してアドバイザリーを行う。その後、0→1の価値創出を志向して起業を検討。事業立ち上げについて、就職活動時に縁があった株式会社DeNAのファウンダー南場に相談したことをきっかけに、13年5月、DeNAに入社。同年11月に仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げる。15年8月に当該事業をスピンオフ、SHOWROOM株式会社を設立。同月末にソニー・ミュージックエンタテインメントからの出資を受け、合弁会社化。現在は、SHOWROOM株式会社代表取締役社長として、SHOWROOM事業を率いる。
人は絆にお金を払う
廃れゆく商店街の中でスナックが潰れない理由は、お金を払う背景に「ヒト」が深く関わっていること。単純に機能的価値やコンテンツそのものを欲して対価を払う「モノ消費」は景気や需要ん大きく左右される。一方で、スナックはコミュニティにおける絆をベースにして、より賞味期限が長く普遍的な所属欲求や承認・自我欲求も満たされ続ける。
今後はコミュニティ作りがあらゆるビジネスの鍵になる。爆発的に成長したフリマアプリのメルカリも、ネットでモノの売り買いができることが本質ではない。本質は、「ヒト」であり、コミニュケーションである。モノを買うだけでなく、向こう側に「ヒト」を感じる設計が存在するから、ユーザーがより愛着を感じ、熱中していく。
SHOWROOMが作る新しいエンターテイメントのかたち
SHOWROOMは、スナックや床屋さんをバーチャル空間上に無数につくっている。
SHOWROOMの配信は、素人がただ話しているだけで質が低いものと揶揄される。しかし、現在は「クオリティ」の定義が変わってきている。有名な演者や監督をキャスティングし、豪華なセットを使った「クオリティ」は旧来のもの。SHOWROOMで「クオリティ」の高いコンテンツには、コンテンツには供給側と需要側に絆が生まれ、コミュニティが生まれ、感動が生まれる。
世の中の人は、エンターテイメントにインタラクションを求めている。大切なのは距離感であり、表現者が支えてくれるオーディエンスのところまで降りて、しっかりと丁寧なコミュニケーションをすることである。
外資系投資銀行でも求められたのは「思いやり」
一人の天才上司に憧れ、USB証券に入社した。その宇田川さんは人に好かれる天才だが、それ以前に「人を好きになる天才」だった。スポーツであれば個人プレーでも良いかもしれない。しかし、ビジネスという団体競技では高いステージにに到達するには、組織を強くする必要がある。
仕事の基本は「思いやり」であり、会社を経営したり、プロダクトを作ったり、部下を育てるときにも、「他者の目」と同じ形式をどれだけ想像できるかが、最も大切と考えている。どんなビジネスであれ、そこに人間が介在する以上、コミュニケーションが重要であり、コミュニケーションに求められることは、シンプルで相手の立場に立つことである。
SHOWROOM起業
多くの夢追い人が、大きな希望を胸に携えて、前に向かって進み続ける世界が見たい。本気で心からそう願っていて、僕が人生を通じて作り上げたい世界を実現するサービスとして考案したのが「SHOWROOM」でした。
SHOWROOMの未来
目下の現実的な目標は日本一であり、多くの人に深く影響を与える。さらに次の目標は、世界一。Googleを超え、努力した人が公平・構成に夢を叶えられる社会づくりを実現する。
物心ついたときには父はおらず、母親を8歳で無くし、12歳で路上に出で弾き語りを始め、不良のようなこともやってきた。先天的な環境によって、人生が決まってしまってはいけないと思う。逆境な必ずバネになり、努力と情熱次第で、人はどんな高みにだっていける。この考えを世界に向けて証明することが自分のミッションであり、だからSHOWROOMに人生をかける。
人生の勝算は見えている。
感想
「「モノ消費」ではなく「ヒト消費」によって人はお金を支払う」と書かれてあって、自分もそんな消費行動をやったことあるかなと最近を思いだしてみたら、意外とたくさんありました。
一つあげるとしたら、僕はシェアハウスに今月から引っ越したんですが、本当に快適に住みたいなら、一人部屋で駅近で、、とかたくさん条件ありますよね。僕のシェアハウスは二人部屋だし、最寄り駅まで徒歩17分かかります。でも、なんでこのシェアハウスに住んでるかというと、(安いってのもあるけど笑)人との出会いがあるからじゃないかなと。ここには学生が男女56人が住んでいて、たくさんのフリースペースがあって、帰ってきたら誰かがおかえりと言ってくれて、そんな条件に僕は「ヒト消費」しちゃってるんじゃないかと思います。
「ヒト消費」ってヒトの行動や感情を感じ自分もそれに感情を動かされる、いわゆる共感や感動みたいなものが根本にあると思いました。知らない人が作ったバックより、職人のストーリーが思い浮かぶバックの方がよく見えちゃうのもそのいい例かなと思います。
昔は、八百屋さんとか「ヒト消費」が主で、そこからITの発達によって機能性や利便性を高めることができ「モノ消費」に移行していき、今はITの発達のさらに一歩先に来てる感じがしました。ITの発達を「モノ消費」じゃなく「ヒト消費」の方向に生かす流れになっているんじゃないかと。今後の未来はじゃあどうなると?ってなるんですけど、それはわからないんで、考えていこうと思います。誰か考えがある人は教えてください笑
真面目な感想ですみません笑 次回はふざけて書きます笑
「2030年 ジャック・アタリの未来予測」ジャック・アタリ
著者:ジャック・アタリ
1943年アルジェリア生まれ。フランス国立行政学院(ENA)卒業、81年フランソワ・ミッテラン仏大統領顧問、91年欧州復興銀行の初代総裁などの要職を歴任。政治・経済・文化に精通し、ソ連の崩壊、金融危機、テロの脅威、ドナルド・トランプ米大統領の誕生などを的中させた。著書は『、21世紀の歴史』、『金融危機後の世界』、『国家債務危機─ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?』、『危機とサバイバルー21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』(いずれも作品社)、『アタリの文明論講義:未来は予測できるか』(筑摩書房)などが多数ある。
憤懣(ふんまん)が世界を覆い尽くす
世界には善をなす手段は数多く存在し、善をなす活動家たちは増え続けている。だが現在、世界は悪の勢力によって支配されている。
順調に見える世界
人類の暮らしは、今後も改善され続けるであろうことは、膨大なデータによって証明されている。
向上し続ける生活水準、平均寿命。過去ではごく一部の人々のためのものだった財やサービスは、今日ではほとんどの人々の手に届くようになった。
民主主義は広まり、それによる人々の連帯感は強まった。善意の活動が盛んになり、極端な暴力も減少した。
世界では多くの重要なことが、悲惨な状態になりつつある
しかし、極めて心配な要素も各方面にあり、数々の進歩が台無しになる恐れもある。
急激な高齢化、医療サービスの乏しい地域での人口爆発。加えて、富の偏在は加速し、富裕層上位10%が世界の富の87.7%を所有している。
各国ごとでも、懸念材料は山積みしている。超大国アメリカの危うい経済成長、不透明な中国の経済成長、政治力のないヨーロッパなどなど。
社会と家族の崩壊により、カルトと原理主義者も台頭してきた。テロ集団のような非国家組織も経済力を手に入れるようになったのだ。
解説
簡潔にいうと、現状をこのように言い表せる。
- 現在までのところ、政治と経済の自由に基づく社会組織は、世界で最も優れた制度だったことが明らかになった
- しかし今日、このシステムは昨日不全であり、世界は奈落の底へ突き落とされる寸前である。
- 今日、市場はグローバル化され、法の支配のない状態にある。
- 国内に閉じこもる民主主義はますます空虚になり、民主主義が現実に対して及ぼす影響力は減る一方である。
- 袋小路に陥り、怒りが爆発する。
- 自由を断念することなく、「大惨事」を回避するために二つの解決策がある。
- 市場が解決してくれると期待し続けること
- 人類の存在意義を維持すること
九九%が激怒する
2030年までに、自己の運命を自分で選択できない(自己実現できない)ような地球規模の地政学的な機器が発生する恐れがある。そなれば、社会に蔓延する憤懣は激怒に変わる。
世界をより良い方向に向かわせる
人口爆発による経済成長と、イノベーションによる社会調和の源泉が変化するのはほぼ間違いない。医療、教育、農業、娯楽、芸術などいろんな分野でポジティブな変化も起きる。
このように経済成長をもたらす戦略的で地政学的な講中感が始動するなら、深刻な経済危機や世界的な紛争の危険性は遠のくだろう。ところが実際は、これらだけでは、利己主義がはびこる社会の逸脱や、地球規模の法整備のなさがもたらす害悪を補うには不十分である。
このままでは世界は大混乱へと向かう
今まで述べたポジティブと思われる要素は、害悪をもたらす。
技術進歩がどれだけ魅力的であっても、それにより雇用は破壊され、富のさらなる集中が加速する。
従来の理論的枠組みに従い、株主と消費者は、従業員と選挙民よりも大きな影響力を持ち続ける。こうした力関係が消費と賃金、つまり物価と雇用に関する条件を決定する。すなわちデフレが蔓延する。
激怒の社会構造
現代の二つの側面が、激怒が蔓延する社会をもたらす。
一つ目が、個人の自由を求めるイデオロギーが支配的になること。このイデオロギーにより、全員が自己の即時的な欲望を満たすための手段として民主主義を利用する。
二つ目が、私的及び公的な暴力が横行する条件が揃うこと。世界的な法規制のない市場がグローバル化し不均衡が増幅することによって起きる。
世界中で怒りが爆発
このような状況では、経済と政治の当事者は相互依存を強るため、法の支配は虚弱になる。アシャの幸福を願うという利他主義の紅葉は理解されない。今まで述べたように。些細なことであっても、怒りが爆発する。
明るい未来
未来は過去の野蛮さを蘇らせる場ではなく、誰もがこの世界でいきいき過ごせるようになると、我々は期待すべき。
自分自身に働きかける
集団の活動に大きな変化が必要な際には、全ては必ず個人が変わることから始まる。自分自身に働きかけることが、世界に対して行動を起こすことだと気づくはずである。
世界のために行動を起こす
意を決した大勢の利他主義者たちが一致団結しねければならない。そして、彼らが、野心的で調和のとれた一貫性のある計画を適用するように働きかけなければ、世界を変える行動は効果を発揮しないだろう。
この行動は、地球規模の法の支配を基盤にしなければならない。
もし、地球規模の法の支配が確立されたのならば、我々は、自分たちの憤懣を行動に導けるはずである。そして、自己の「自分自身になる」を我が物にすることができる。
感想
この本は一言で言うと、ツンデレ本だった。現状がいかに危機的な状況であるかを細かく説明し、最後には未来に希望を持たせようと僕を勇気づける言葉が続いていた。。
今の世界がどんな状態なのか、ざっくりしか書けなかったけど、本当は詳しく書いてあって、その現状からどのような未来が予想できるかまで書いてあって本当に勉強になった。最近は、こういうスキルが欲しいとか目先の、かつ自分の未来しか想像してなかったけど、縦を時間、横を分野とするなら、もっと縦横共に長く広く世の中を見るべきだと感じた。
本の中に「誰もがこの世界でいきいき過ごせるようになると、我々は期待すべきなのだ。」という言葉があって、心が乾燥してひび割れしてるような感受性少なめの僕の心にも響きました。
その時に、これを思い出しました。
僕が尊敬する松岡修造先生の動画です。5分25秒のタイミングでどうか見てください。
どうやったら人はいきいき生きられるのか。落ち込んだ時、見ると絶対やる気出ます。毎朝見てます(真顔)。
「人望が集まる人の考え方」レス・ギブリン
著者:レス・ギブリン
アメリカの心理カウンセラー。人間関係のエキスパートとして知られ、人間の本質に関する深い洞察が好評を博す。
人間の習性をうまく活用する
成功と幸福を手に入れる方法
成功と幸福をもたらす最大の要素は、人間関係の技術である。人間関係の技術をしっかりマスターすれば、成功への道のりの約85%と幸福への道のりの約99%の地点に達することができる。
人間関係で大切なのは、他人とうまくやっていきながら、満足感を得ると同時に相手の自尊心を満たす方法を見つける方法である。
人を動かす基本的は秘訣
人間関係の4つのルール
- すべての人は程度の差こそあれ自分本位である
- すべての人は自分に最も強い関心を抱いている
- すべての人は自分が重要だと感じたがっている
- すべての人は他人に認められたいと思っている
人々はたいてい自分の自尊心を満たすために行動するから、正論を説くよりも相手の自尊心を満たす方が人を動かす上で効果的である。
自分の「隠れ資産」を有効に使う方法
3つの隠れ資産
- あなたは他人の価値を認める力を持っている
- あなたは他人が自分を好きになるのを手伝う力を持っている
- あなたは他人を受け入れて大切に扱う力を持っている
相手の重要感を満たすために最善を尽くすことによって、自分が失うものは何一つなく、得るものばかりである。
他人の行動と態度をコントロールする方法
前提として、すべての人は絶えず相手の行動と態度をコントロールしている。まるで鏡の前に立っているかのように、相手はあなたの行動と態度を反映する。例えば、相手を信頼していることを知らせれば、相手は自分が信頼に値する人物であることを証明しようと努めるのである。
相手に良い第一印象を与える方法
自分が望む「主音」で会話を始めれば、相手の行動と態度を驚くほどコントロールすることができる。自分の最初の言葉、動作、態度、があなたの「主音」となる。
自覚しているかに関わらず、あなたは他人と関わるたびに特定の舞台を設定している。あなたが相手に与える第一印象は、あなたがあなたに対していつまでも抱く「主音」となる可能性が高い。
友情をはぐくんで相手を味方につける
人々を惹きつける3つの条件
第1の条件 相手を受け入れる
- 自分らしく振舞う権利を相手に与えよう
- 他人を変える力を持っている人はいないが、相手をあるがままに受け入れることで、自分を変える力を相手に与えることができる
第2の条件 相手を認める
- すべての人が自分を認めて欲しいと強く思っている。人はみな承認願望を持っている
- 人を褒める時の一つのルールは、目立たない長所を褒めることである。
第3の条件 相手を尊重する
- 相手を尊重する=相手の価値を高く評価する
- 相手に感謝し、相手を待たせず、相手を特別扱いすることが大事である
相手とすぐに打ち解ける方法
相手が心を開いてくれるのを待ってはいけない。相手が友好的な態度をとってくれることを想定して自分から積極的に、相手にとって欲しい行動をとるすべきである。
感情が行為を決定するのと同様に、行為が感情を決定する。毎朝、鏡の前で微笑む練習をし、心のこもった微笑みを見せる努力をすべきである。
効果的な話し方で成功する
言葉で表現する能力を磨く方法
成功と幸福は、自分を表現する能力によって大きく左右されるので、常に自分の話し方を改善しなければならない。
会話上手な人になるためには、いきなり独創的な話をするのではなく、ありきたりなことから話すべきである。そして、相手に自分自身のことについて話すお膳立てをする。自分のことを話すように求められた時が、自分のことを話すタイミングである。
聞き上手になる方法
相手の言い分に共感して理解のある態度を示すことが、人望を集める最も効果的な方法である。しかし、相手の話をじっくりきくという単純な方法を実行している人はごくわずかしかいない。
オリバー・ウェンデル・ホームズ
相手の発言に興味を持っていることを示す。
- 相手の顔を見る
- 賛同するときは、頷く
- 相手の方に身を乗り出す
- 相手に質問する
- 話しての話題に従う
- 話し手の言葉を使って自分の意見を伝える
たちまち相手の賛同を得る方法
説得するとき、反対意見を持つ人を論破したくなるのが自然な衝動だが、本来の目的は相手から賛同を得ることである。プレッシャーをかけず、脅し悪戦を使わないで冷静に事実を提示することが、自分の考え方を相手に受け入れさせる最善の方法である。
人々にうまく働きかける
相手の全面協力を得て成果を上げる方法
相手に頼み事をしても嫌な態度をとる場合がある。産業心理学によると、相手は手伝いたいわけではなく、知力と体力の両方を働かせるよう依頼されないので、全面的に協力することができないのである。
アドバイスを求めると、相手は自分が信頼されていることを実感し、親近感を抱く。
人間関係で奇跡を起こす方法
落ち込んでいる、いい加減な仕事をする、付き合いづらい人は、低い自尊心のために悩んで切る可能性が高い。心のこもった褒め言葉は、健全な意味で相手の人尊信を高めて行動を改善する「奇跡の妙薬」としての役割を果たす。
褒め言葉をかける時の2つのルール
- 誠実な気持ちでいる
- 相手そのものより相手の行為や性質を褒める
相手を怒らせずに注意を与える方法
注意を与えることの本当の目的は、相手をおとしめることではなく、相手を向上させることである。
相手に注意を与えて成果をあげるための7つのルール
- 1対1で注意を与える
- 褒め言葉で前置きをする
- 相手の言葉に注意を与える
- 正しい方法を与える
- 要求ではなく、依頼する
- 注意は1回にとどめる
- 友好的に話を終える
感想
この本の本当のタイトルは「How to Have Confidence and Power in Dealing with People」で、日本語訳のタイトル通りの、人望の集まる考え方というより、どう人と向き合うべきかってことが心理学的に書かれていて、面白かった。
おそらく、人望がすでにある人はこんな本を読もうとは思わないので、多分自分は、心のどこかで人望が欲しいと思っているのだと思う。うん、思っている。もらえるなら人望欲しい笑
人望を得るためにこの本を実践しようと思うけど、当たり前の人との付き合い方しか書いてなかった。自分が当たり前と思っている、人との正しい付き合い方は、小さい頃から親に教わってきたものだから、おれの親すごいなと思った笑
多分、ほんとはおれの親はすごくなくて、正しい人との付き合い方というのは普遍的なもので、人間みんなわかっていることだと思う。これを "実践する" のが難しいだけで。お金とか一時の感情に流されたり、時と場合の微妙な条件によって、人の意思決定が左右されて、正しい人との付き合い方ができないだけだなと。人間は根本に生存欲求があるから、自分のことを第一に考えてしまうことは仕方のないことだけれど、それを踏まえて、人のことを考えて行動することが大事だと感じた。