5分で読めるブックレポート

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「思考法」「IT」「事業開発」における基礎知識の本を3日に1冊要約して感想をのせていきます。

「マッキンゼー流入社1年目ロジカルシンキングの教科書」大嶋祥誉

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著者:大嶋祥誉

現:センジュヒューマンデザインワークス代表取締役上智大学国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアットグローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。

 

 

論理思考は難しくない!

本物の論理思考とは、「クリティカルに考え(深い洞察による自分の考えを持ち)、ロジカルに展開する(わかりやすく伝える)こと」。

論理思考の3ステップ

  1. 前提を自分でちゃんと確認する
  2. 深く根拠を調べて伝える
  3. 自分だけの深い意見を持つ

 

クリティカルに考える

クリティカルな思考の3つの基本姿勢

  1. 目的は何かを常に意識する
  2. 思考パターンの枠を意識する
  3. 問い続ける(So What? Why so?)

 

クリティカルな思考を鍛える7つの習慣

  1. 身近な人にあえて「具体的に」話す
  2. 人の意見に「乗っかる」のをやめる
  3. ニュースの見出しから「別のこと」を考える
  4. 衝動買いの前に考える
  5. 事実と意見を区別する
  6. ソクラテスになってみる(全ての発言に問いを立ててみる)
  7. 言葉の曖昧さに甘えない

 

ロジカルに展開する

ロジカルにわかりやすく展開するときの3つのポイント

  1. 論理にモレがないか(広がり)
  2. 論理が深掘りされているか(深み)
  3. 論理に筋が通っているか(飛躍)

 

ものごとの「思考法」で立ち止まった時にヒントとなるもので「演繹法」と「帰納法」がある。

演繹法」を使う

演繹法の流れ

  1. 前提ルール(大前提)
  2. 調査観察(小前提)
  3. 結論行動

演繹法の例

  1. 雨の日は電車がよく遅れる(前提ルール)
  2. 今日は朝から大雨だ(調査観察)
  3. いつもより早めに家を出よう(結論行動)

演繹法」では、何を「前提ルール」「調査観察」に持って来るかで「結論行動」が全く異なってくる

 

帰納法」を使う

帰納法の流れ

  1. 複数の事実・状況
  2. 類似性の調査観察
  3. 推論(結論)

帰納法の例

  1. コンビニ各社のいれたてコーヒーが人気(複数の事実・状況)
  2. 異業種の店舗でも、いれたてコーヒーを提供し集客がアップ(類似性の調査観察)
  3. いれたてコーヒーが集客の武器になる(推論(結論))

世の中で流行っている「複数の事実・状況」に類似性があるのではないかと「類似性の調査観察」をする意識を常に持つことが「推論」を導き出すときに重要である。

 

クリティカルに発想する

 発想そのものから「クリティカル思考」を行うために、たくさんのアイデア発想法を使って発想をもっと深くすべき。

 

「等価交換法」を使う

等価交換法の流れ

  1. 対象となるテーマを設定する
  2. その対象と等価なものを探す
  3. 等価なものにテーマを置き換えて、そこから発想してみる
  4. 3で出てきた発想を使って、元のテーマについて考える

等価交換法の例

  1. 結婚式の二次会の司会(テーマ)
  2. 素人が出題するバラエティ番組(等価)
  3. 素人がクイズを出すと予測不可能で面白い(発想)
  4. 二次会参加者に自分のことを当てさせるクイズをしてもらい、司会の負担を軽くしつつ盛り上げる(元のテーマからの発送)

 

ひとりブレストをしてみる

ブレストの5つのルール

  1. 適切な質問を設定する
  2. どんな考えやアイデアも批判せず結論を出さない
  3. ざっくりした発想でもなんでも自由
  4. 完成度や質よりも量をたくさん出す
  5. 出てきた考えや発想を使ってさらに発想を展開させる

最終的にはブレストの目的やテーマと照らし合わせ、アイデアを絞り込み、「具体的検討」まで行う。

 

「シックスハット法」を使う

6種類の色の帽子を被って、6パターンの思考を行う。

  1. 白【客観的思考】数字やデータ、信頼できる情報をもとに考える
  2. 【直感的思考】感情や感覚、直感的な発想をもとに考える
  3. 【否定的思考】課題やリスク、損失などを持ちに考える
  4. 【肯定的思考】評価できる点やメリットなどをもとに考える
  5. 【創造的思考】革新的なこと、これまでにないものをもとに考える
  6. 【プロセス管理思考】全体を見渡し実現性をもとに考える

自分以外の人の思考になりきることで、自動的に自分の固定観念や思考パターンを打ち破ることができる。

 

クリシン+ロジシンで独創的な飛躍をする

クリティカルな思考を働かせて「自分の考え、課題テーマ」を見つけるだけでは「いい考え」で終わってしまう。「いい考え」をロジカルな思考を使って「正しく実行し結果を出す」までやって、初めて評価される。

実行する前の時点で、これから実行することを「根拠に基づいて納得できるこプロセス」として示すことが必要。

 

シナリオ分析をしてみる

シナリオ分析の流れ

  1. プランを実行した場合のシナリオを作る
    • うまくいった場合、うまくいかなかった場合の最低2パターン作る
    • 通常は、4パターン以上考える
  2. 起こりそうなことへの対策を想定する
    • 各パターンの起こりうること一つずつに対策を考える
  3. 緊急度と重要度を想定しておく
    • 想定した対策をマトリックスに当てはめる
    • 緊急かつ重要なものから手を打つ

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感想

この本を読んで、ロジカルシンキングへの捉え方が少し変わった。ロジカルシンキングて聞くと、フレームワークを使って、誰がやっても同じような思考の流れで、似たアウトプットが出るイメージがあったけど、この本を読んで、「自分にしかできないクリエイティブな発想や仕事を生み出すもの」としてロジカルシンキングがあるように感じた。

 

あと、クリティカルな思考を鍛える方法の一つの「身近な人にあえて「具体的に」話す」が自分には特に足りてないと思った。

「あー今日眠いなー」って言うんじゃなくて、「食後だから、すい臓からインシュリンが分泌され、血糖値が下がる時の副作用で眠気を感じる」って言おうと。。

友達減らしてまでロジシンつけようと思います。ヽ( ・∀・)ノ

「正しい「値決め」の教科書」中村穂

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著者:中村穂

1940年生まれ。関西大学商学部卒業後、総合紳士用品卸に入社。1965年に独立し、以来、松下電工(現在、「パナソニック エコソリューションズ創研」に移行)、武田薬品市田大関酒造などの社員教育、傘下得意先のコンサルティングマーケティング指導にあたってきた。現在、有限会社「創」代表取締役。とくに松下電工(パナソニック)での、工事店、小売店・代理店指導歴は40年以上に及んだ。

 

この本には、たくわん製造会社の新人社員が各部署にヒアリングしながら、新商品の価格設定を行っていく話が書かれている。その話の中で価格設定の仕組みについて学べるストーリー仕立ての本になっている。そこで、今回はストーリーに沿ってではなく、要点である価格設定の手順に沿って目次を作った。

 

  

①価格設定の目的を決める

値決めにはたくさんの要素が絡むが、一番重要なものは、会社の方針に沿った価格であるかどうかである。

価格設定の目的例5つ

  1. 生き残り
    • とにかくコストを上回る価格で利益を上げる
  2. 最大経常利益
    • 経常利益が最大になる価格を探る
  3. 最大市場シェア
    • 市場浸透価格設定とも呼ばれる
    • 最低価格で早期に市場のシェアを押さえる
  4. 最大上澄み吸収
    • 上澄み吸収価格設定とも呼ばれる
    • 最初から高い価格で利益を確保する
  5. 品質のリーダーを目指す
    • 高い品質で高い価格を付ける

 

②価格と需要の関係を調べる

値決めをする場合、「価格感受性」と「価格弾力性」が重要である。

 

価格感受性

「 価格感受性」=「購買者がその商品の値段をどれだけ気にするか」

価格感受性の強い商品

  • 値段の高い商品
  • 頻繁に使う商品

価格感受性の弱い商品

  • 代替品がない商品
  • ブランド商品
  • 保存できない商品 ex)誕生日のケーキ

 

価格弾力性

「価格弾力性」=「需要が価格の変化に対して、どれだけ敏感に反応するか」

需要が弾力的であればあるほど、価格の引き下げを考える必要がある。

価格弾力性の低い商品の特徴

  • 代替商品や競合商品が少ない
  • 購入頻度が低く、価格の変化に気づきにくい
  • お気に入りのブランドで、購買習慣を変えにくい
  • 材料の値上がりなど、価格の変化も仕方ないと思える

 

③原価とコストを調べる

コスト = 原価 ではない。

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経理として、「コスト」に明確な定義はない。経営者や株主は経常利益を気にするので、売上げのうち経常利益以外をコストと一般的に使う。

 

④競合他社の価格を調べる

他社製品と比較して、自社製品が独自の価値を持っている場合、それによるお客様の価値の度合いを調べ、そのぶんを他社の価格に上乗せして考えていい。

 上限価格と下限価格の範囲で、商品の価格を決める。

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⑤価格設定の方法を決める

価格設定の5つの方法

  1. マークアップ価格設定法
  2. ターゲット・リターン価格設定法
    • 投資収益率(ROI)を使って、目標とする利益を計算する方法
    • ターゲット・リターン価格 = 製品1個あたりコスト + ( 期待収益率 × 投資額 ) / 販売数量
  3. 知覚価値価格設定法
    • 「知覚価値」=「購買者がその商品に対して抱いている総合的な価値」
    • 多くの人の知覚価値を調べて、それを基準に価格を設定する方法
    • 設定した価格がコストより低い場合は、コスト削減や商品の見直しを行いコストを下げる
  4. バリュー価格設定法
    • 高い品質の商品にかなり低い価格を付ける方法
    • 単なる安売りではなく、品質を犠牲にせず安くする
    • メーカーでは材料の仕入れから流通まで、小売では仕入れ価格から販売現場の経費まで、全プロセスで抜本的な改革を行う
  5. 現行レート価格設定法
    • 競合他社の価格に基づいて価格を設定する方法
    • 他社との差別化が難しい or コストが計算できない or 需要の予測が難しい商品などに使われる
  6. オークション価格設定法
    • オークション方式で購買者によって価格を決定していく方法
    • ネットオークションでおなじみ

⑥価格を決める

会社の方針を基に、①〜⑤の手順で価格を決定する。

 

価格適合

「価格適合」=「一旦価格を決めた後に、いろいろな理由で価格を変えること」※正しくは、さまざまな条件に適合する価格を設定すること

価格適合の方法

  1. 地理的価格設定
    • 高い輸送コストを賄うために、高い価格を設定する
    • ex)山小屋での缶飲料
  2. 価格割引き
    • 現金割引き
      • 現金払いのお客様の価格を割り引く
    • 数量割引き
      • 大量購入のお客様の価格を割り引く
    • 季節割引き
      • オフシーズンのお客様の価格を割り引く
  3. リベート
    • 「売上割戻金」「販売奨励金」「報奨金」とも呼ばれる
    • 取引高に応じて、利幅の一部を流通業社に戻す働きがある
    • 購買者でいう、キャッシュバックと同じ意味
  4. ロスリーダー価格設定
    • 採算度外視の価格の目玉商品を出すことで、他商品の先頭に立って購買者を集めるために行う
    • 目玉商品の赤字以上に、全体の販売量が増えれば利益になる
  5. 差別型価格設定
    • 購買者、場所、時間の違いで価格を変える方法
    • ex)映画のチケット、搭乗日より早い時期での飛行機のチケット
  6. 製品ミックスの価格設定
    • 製品をセットで販売し、利益を最大化させる方法
    • メーカーが自社製品を組み合わせる場合だけでなく、販売の段階で別メーカーの製品と組み合わせる場合もある

 

感想

もし自分が何かサービス作った時ってどう価格付けるとかな?って思ってこの本読んでみました。結論、この本読んだから、正しい価格設定がもうできるとは断言できない。。

だけど、価格を考える時に注意すべき観点はわかったかなと個人的に考えて、それは、、、3Cです(あるあるな答えw)。この本に沿って説明すると

  • Company(原価とコストはどのくらいか)
  • Customer(価格感受性や価格弾力性はどのくらいか)
  • Competiter(競合の価格はどのくらいか)

 

ところで、3Cってめちゃ使うけど、誰が考えたんやろーと思って、永井のリサーチ力をフル活用したら(ググったら)、1件ヒットしました。ほんとに。

これがその結果です。

え。この人やったと?しかも日本人?ってなったけど、事実確認が難しかったので、誰か真実を知ってたら教えてください!!

「優秀なプレーヤーは、なぜ優秀なマネージャーになれないのか?」柴田励司

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著者:柴田励司

1962年東京都生まれ。上智大学文学部英文学科卒業後、京王プラザホテル入社。京王プラザ在籍中に、在オランダ大使館出向。その後京王プラザホテルに戻り、同社の人事改革に取り組む。1995年、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソースコンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年、38歳で日本法人代表取締役社長に就任。

 

 

優秀なマネージャーになる人の40の習慣

優れたプレーヤーと優れたマネージャーを比較しながら、優秀なマネージャーの「行動」「考え方」「心の持ちよう」 をおさえる。

  優秀なプレーヤー 優秀なマネージャー
1 自分を元気にする チームを元気にする
2 自分を守る 周りを守る
3 悪い情報を遠ざける 悪い情報が先に届く
4 指示命令で人を動かす 自発的に動きたいと思わせる
5 プロセスがブラックボックス プロセスをコントロール
6 人の表面を見る 人の裏側がわかる
7 曖昧さを排除する 曖昧さを許容する
8 デキる人は自分だけでいい デキないメンバーをつくらない
9 会議を軽く考える 会議術を心得ている
10 自分より優秀なライバルを避ける 自分より優秀な部下を集める
11 自分でかけたプレッシャーに強い 外部からのプレッシャーに強い
12 自分を大事にする 自分を捨てられる
13 前提条件で考える 「あっ」と驚く発想をする
14 宴会の王様になる 宴会の名幹事になる
15 仕事の向上心が強い あらゆる好奇心が強い
16 空気を読まない あえて空気を読まない
17 処理能力が高い アクションが速い
18 難しく話す たとえ話をする
19 「その場しのぎ」を続ける 「火種」を消しにかかる
20 毎回、新しいやり方を探す 自分の型を持っている
21 自分だけの戦いに負けない 「ま、いいか」の戦いに負けない
22 やり続ける 止める術を知っている
23 言葉で語る 表情で語る
24 自分の弱みを見せない 自分の弱みを見せる
25 今日のことを考える 明日のことを考える
26 論理で話す トーリーで話す
27 自分の主観で動く 自分を客観視して動く
28 勉強で学ぶ 経験で学ぶ
29 年長者に対抗する 年長者に可愛がられる
30 自分のための時間配分をする メンバーのための時間配分をする
31 社内に人脈がある 社外に人脈がある
32 よそ行きの店を知っている 我が家のような店を持っている
33 休まずに仕事をする 休み方を知っている
34 数字だけを大事にする 数字のストーリーを大事にする
35 怒りを表す 「叱る」と「怒る」を使い分ける
36 忙しさを増幅させる 忙しさをまわりに伝染させない
37 みんなを従わせようとする みんなをフォローする
38 理を全面に持って進む 理と情のバランスを持っている
39 自分中心にプレゼンする 相手中心にプレゼンする
40 想定内に強い 想定外に強い

 

4つのワークスタイルとマネジメントスタイル

 「優れたマネージャーとは可変である」

これは、プレーヤーは自分のスタイルを貫くことが良いことだが、マネージャーはチームのダイナミズムを高めるために、あえて自分のスタイルを変えることが必須という意味である。

 

4つのマネジメントスタイル

まずは、自分がどのスタイルに当たるのか理解する。

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それぞれの斜めの関係が、最も自分から遠いタイプとなる。

チームには、あえて異質なタイプを入れることでチームの振れ幅が大きくなり、チームのダイナミズムが生まれる。

 

4つのスタイルの特徴

Accomplisher(仕事人タイプ)

  • 行動の拠り所:経験、行動、結果
  • 行動パターン:アクション
  • 最大の関心事:何を(What)

Regulator(管理者タイプ)

  • 行動の拠り所:分析、プロセス、コントロール
  • 行動パターン:システマチック
  • 最大の関心事:どのように(How)

Creator(起業家タイプ)

  • 行動の拠り所:将来、機会
  • 行動パターン:創造
  • 最大の関心事:なぜ(Why)

Uniter(調整役タイプ)

  • 行動の拠り所:価値観、文化
  • 行動パターン:調整
  • 最大の関心事:誰が(Who)

 

マネージャーは、試合に出て活躍するのではなく、試合をマネージして勝つ。そのためには自分の立ち位置を変えないといけない。しかし、メンバーに「その人の根本」を変えるよう働きかけることはしてはいけない。

 

感想

マネージャーは、〇〇と〇〇をおさえておけば優秀と言えるのではなく、常にチームの状況に合わせて自分を変えれる人が優秀なマネージャーであるということがわかった。良い成績を出したプレーヤーは全て優秀なマネージャーになれるのかということに関しては、筆者の考えと同様に必ずYesと言えないと思う。その理由は、すごい成績を出した野球選手がすごい監督に全員なっているかというと違うことと同じだと思う。

 

僕は、筆者の柴田励司さんにお会いする機会があって、実際に自分を診断していただいた時の結果は「Crタイプ」だった。最初はリスクを取りながら新しい機会を狙う(Cタイプ)が、切羽詰まった局面では、構造化して物事を計画的に進める(Rタイプ)という意味だった。この結果のように、斜めの関係性である真反対のタイプを併せ持つ人は珍しいらしい。

正直にいうと、その診断はすごい当たってた。その診断後に、あるワークがあってその終了時間ギリギリにみんなは成果物を紙に急いで書いていたのに、自分はエクセルで表を作って成果物をまとめていた。でも、個人的に表作るのが好きだから、関係ない気もするっちゃする。

「キャリアデザイン入門」大久保幸男

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著者:大久保幸男

1983年一橋大学経済学部卒業。同年株式会社リクルート入社。1999年にリクルートワークス研究所を立ち上げ、所長に就任。2010年から12年まで内閣府参与を兼任。株式会社リクルートホールディングス専門役員。

 

 

 キャリアデザインの考え方

キャリアには二つの側面がある。

  1. 客観的側面(職務経験)
  2. 主観的側面(仕事に対する自己イメージ)

この二つの形成のために内省と行動を繰り返すことが「キャリアデザイン」。

 

「筏下り」ー「山登り」モデル

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この筏下りから山登りへの移行に成功すれば、キャリアの成功が見えてくる。

 

年齢段階別 キャリアデザインの方法

中学や高校時代

  • 進学にするにしても就職の道を一旦検討することでキャリア選択の練習をするべき

大学時代

  • 内省よりも行動を重視
  • 仕事をすることのリアリティを得るべき
  • 迷ったらモラトリアムではなく、むしろ就職して自分を鍛えられる環境を作ることが大事

新入社員時代

  • 同期よりも先輩や上司とのタテのコミュニケーションを重視
  • まずは目の前の困難を乗り切る

30歳超える頃

  • 専門領域を決める準備をすべき

このキャリア全体を通じて、対人・対自己・対課題能力を鍛え、基礎力を完成させることがキャリアの成功につながる。

 

基礎力を身につける

基礎力とは、どのような仕事をするにしても必要となる能力。

基礎力の概念図

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基礎力とは、①②③の能力を中心として、④⑤を加えたものとも言い換えれる。

 

①対人能力

  • 親和力=他者との間に豊かな関係を気づく力
  • 協働力=目標に向けて他者と協力しながら仕事を進める力
  • 統率力=場を読み、組織を動かす力

②対自己能力

  • 感情抑制力=気持ちの揺れを制御する力
  • 自身創出力=前向きな考え方ややる気を維持する力
  • 行動持続力=主体的に動き、良い行動を習慣づける力

③対課題能力

  • 課題発見力=課題の所在を明らかにし、必要な情報分析を行う力
  • 計画立案力=課題解決のための適切な計画を立てる力
  • 実践力=立案された計画に基づき、それを実際の行動に移す力

④処理力

  • 「言語的処理力」「数量的処理力」の二つに分けられる

⑤思考力

  • 「論理的思考力」「創造的思考力」の二つに分けられる

 

基礎力を適切な段階で身につけることで、キャリアの成功を実現する基盤を作ることができる。

 

感想

「キャリアを考えるべき」って人から聞いてはいたけど、本読んだりイベント行ったりしてなくて、今までキャリアを言語化できてなかったけど 、この本を読んでキャリアの捉え方の一つの方法を学べてよかった。

 

基礎力の要素分解に関しては、人それぞれの分解のやり方があるなと思うし、人それぞれでいいとも思った。社会背景によっても求められる力は変わるから、時代の流れとともに基礎力の要素も変わってくと思う。

調べてみたら、こんな能力の要素分解の方法もあった。

www.meti.go.jp

 

 仕事は、人生の大きな割合を占めるから、「この仕事するため(社会を作るため)に生まれてきたんだな」と思える天職見つけたい。そのためにもキャリアデザインを考えることが大事。(今回は真面目な感想となりました。)

「Running Lean - 実践リーンスタートアップ」アッシュ・マウリヤ

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著者:アッシュ・マウリヤ

USERcycleの創業者。7年前に最初の会社をブートストラッピングして以来、5つの製品と1つのピアツーウェブアプリケーションフレームワークをローンチしている。テキサス州オースティンに妻と2人の子どもと一緒に住んでいる。

 

 

Running Leanとは

Running Leanとは、リソースを使い切る前にプランAからうまくいくプランへと反復的に移行する体系的なプロセスのこと。

この本は、課題/解決フィットを見つけるところから、Running Leanを製品に適用する手順を時系列に並べて説明している。

 

 プランAを文章化する

最初の手順は、ビジョンを書き出して、少なくとも1人の人間と共有すること。

使用するフォーマットは「リーンキャンバス」。リーンキャンバスとは、ビジネスモデルを9つの部品に分解し、リスクの高いものから体系的にテストするもの。

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起業家は「ソリューション」に夢中になるが、やるべきことは最高のソリューションの構築ではなく、ビジネスモデルの全体像を把握して、各要素をうまくまとめること。 

 

プランで最もリスクの高い部分を見つける

「成功する製品を構築する 」= 「リスクを緩和する」。スタートアップの最も大きなリスクとは、誰も欲しくないものを作ること。

 スタートアップの3つのステージ

  1. 課題/解決フィット
  2. 製品/市場フィット
  3. 拡大

第1ステージ「課題/解決フィット」

重要な質問:解決に値する課題はあるのか?

  • 【必要性】それは顧客が必要としているのか?
  • 【成長性】顧客はお金を支払ってくれるか?支払わないのであれば、誰が支払ってくれるか
  • 【実現性】それは解決可能か?

 

第2ステージ「製品/市場フィット」

重要な質問:誰かに必要とされるものを構築したか?

MVPを構築できたら、そのソリューションがどれだけ課題を解決しているかをテストする。

 

第3ステージ「拡大」

重要な質問:どうやって成長を加速させるのか?

第2ステージまでは、学習とピボットに集中し、第3ステージからは成長と最適化に集中する。

資金調達に適した時期は、起業家と投資家の目標(=ビジネスの拡大)が一致している第3ステージ。

 

プランを体系的にテストする

実験(=学習のループ)を行う

  1. イデアや仮説を用意して、テストのための成果物を構築する
  2. 成果物を顧客に提示し、顧客の反応を定性的・定量的に計測する
  3. 得たデータを仮説の検証や反証の学習に使う
  4. (再び 1 に戻る)

実験は、ビジネスモデルの仮説の検証や反証に使うもの。イテレーション(反復)は、製品/市場フィットなどの目標に近づけるためのもの。

イテレーションのメタパターン

  1. 課題を理解する
  2. ソリューションを決定する
  3. 定性的に検証する
  4. 定量的に検証する

 

感想

リーンスタートアップの手法をすごく噛み砕いて説明してあり、内容をイメージしやすかった。(仮説検証の話のページで、顧客インタビューのためのメールのサンプルまで載っていたw)

 

この本の中で好きになった言葉がこれです。

建物の外に出よ。

ー スティーブ・ブランク 

 製品開発サイクルにあわせて、顧客との継続的なFBを構築するという平行プロセスを説明したものです。要するに、「答えはコンピュータやオフィスにあるのではなく、建物の外にある」ということです。

まさにこれですね。

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