5分で読めるブックレポート

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「社会人」「IT」「マーケティング」における基礎知識の本を3日に1冊要約していきます。

「FinTech入門」辻庸介 瀧俊雄

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FinTechがやって来た

FinTechとは何か

FinTechとは、金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、金融と技術の融合のこと。

近年になってFinTechが注目された要因は3つ挙げられる。

  1. 技術の開発コストが低下したため
  2. 開発したサービスの普及のコストが低下したため
  3. ユーザーの目が肥え、サービスへの期待が高まったため

     

FinTechを取り巻く環境の変化

現在は「FinTech2.0」ちなみに「FinTech1.0」とは、1990年代に進んだ金融機関のオンライン化。例)インターネット証券会社の誕生。

日本政府もFinTechを支援している。金融担当大臣は平成27年度金融行政方針の重要施策として、FinTechの調査と整備を取り上げている。

FinTechを支えるプレーヤー

FinTechはスタートアップが前進させる

「最速」で「最高」のサービスは「多産多死」上の産物であり、意思決定プロセスが長い大企業向きではない。大企業は「オープンイノベーション」を取り入れ、スタートアップと提携を行う戦略が合理的。

金融の「アンバンドル化」

「アンバンドル化」とは、金融機関が情報サービス部分とインフラ部分を両方提供していたが、特に情報サービス部分で様々なプレーヤーが誕生し、情報サービスとインフラ提供機能が分離すること。

その後、金融機関が、優れた情報サービスを提供するスタートアップと組み、新形態でサービスを提供する「リバンドル化」が進展していく。

 

 FinTechで変わる新たな金融サービス

個人資産管理(PFM)

PFMとは、個人が毎月の収入や支出を把握したり(家計管理)、銀行や証券、保険などを分散している資産をノンストップで管理(資産管理)することにより、自分のお金の状態を把握すると共に、将来必要なお金について準備をする概念を表す。

代表的なサービス

アメリカ

国内

企業会計、経営・業務支援

クラウド会計サービスには4つのメリットがある。

    1. いつでもどこでも、どんなデバイスからも情報にアクセスできる
    2. 情報やデータを、複数の人がリアルタイムに共有・作業することができる
    3. サービスの改善スピードが飛躍的に向上する
    4. 利用時に、初期費用が安いもしくは不要で、利用料も低い

このようなクラウドサービスは企業の収益性、生産性の向上だけでなく、金融サービスと融合し、お金の面からも企業活動の向上にますます役立っていく。

代表的なサービス

アメリカ

国内

資産運用

最も注目されているのが「ロボアドバイザー」

ユーザーから与えられた情報を基にあらかじめ用意したアルゴリズムを用いて最適化されたポートフォリオを自動的に作成し、それに応じた運用を低い手数料で提供するというサービス。
これまで一部の機関投資家や富裕層しか利用できなかった、グローバル分散投資による資産運用サービスを、一般の方々も低コストで行えるようになった。

代表的なサービス

アメリカ

国内

融資、ソーシャルレンディング

コンピュータが、融資を受けたい企業の財務データや個人の所得証明などから、ビックデータ解析によって返済可能性を算出し、その結果に基づいて、融資することができるか、金利はどの程度に設定すれば良いか、などを判断する。

代表的なサービス

アメリカ

ドイツ

イギリス

国内

クラウドファンディング

クラウドファンディングは4種類に分けられる。

融資型

投資型

  • 支援者が得られるもの:株式
  • アメリカ(エンジェルリスト「Angelist」)

寄付型

事前購入型

不特定多数の個人や企業から、インターネットを通して支援金を集める仕組みは、投資のリターンはお金であると言う「資本市場型」から、応援したい!社会に貢献したい!と言う「共感型」の新しい投資の形である。

決済

今までの流れ:現金支払→カード決済→スマートフォン決済

P2P海外送金で手数料が大幅に安くなる。理由は3つ存在する。

  1. サービス量が安い(通常の銀行の1/10程度)
  2. 為替レートはリアルタイムのインターバンクレートを適用
  3. 振込は国内送金なので、外貨交換の際の為替手数料は不要

代表的なサービス

アメリカ

イギリス

国内

保険

生命保険はDNAと健康習慣のデータから病気にかかる確率を計算し、個人の保険料が決まる。

損害保険はテレマティクスによって運転情報をデータ化し、それを基にリスクを計算し、適切な保険料が決まる。

代表的なサービス

フランス

アメリカ

国内

不動産

不動産業界は、他業界に比べ、デジタル化と情報の公開が遅れている分野。

  • 「民泊」→現在の旅館業法の下で新しいルールを作っていくべき
  • 「不動産売買情報」→REINSにアクセスできるのは、指定流通機構に会員登録をしている不動産会社のみ

代表的なサービス

アメリカ

  • エアビーアンドビー「Airbnb
  • ジロー「Zillow

国内

ブロックチェーン、分散台帳、仮想通貨

株式の取引や保有者の情報を特定の金融機関内で管理するのではなく、通信し合う複数のサーバーえ管理するのが「分散型台帳」システムと呼ばれる。

金融機関の多くが関心を持っているのは、「プライベート型でコンセンサスベースの分散型台帳システム」。

何故ならば、限られたネットワーク内で取引データの記録を行うことで、高速の取引にも活用できるから。1秒にできる取引の回数が約7回というビットコインの弱みを克服している。

セキュリティー

正確な本人確認を行うための技術の進歩

  • 本人確認書類→IDパスワード→生体認証、OAuth認証

代表的なサービス

アメリカ

  • アイベリフェイ「EyeVerfiy
  • ニュアンスコミュニケーションズ「Nina
  • ピンドロップセキュリティー「Pindrop

 

FinTechがもたらす新たな未来

金融機関の動き

海外では、テクノロジーがもたらす金融業界の構造変化にいち早く対応し、リスクを取ることができる様々な環境を用意しつつ、投資や提携を通じて自らの選択肢を広げている。日本では、メガバンク地方銀行がそのような動きを積極化させている。

2021年の金融

ビットコイン2.0という技術が登場し、金融機関の中心的なインフラが運用コストが圧倒的に低い分散型台帳に取って代わられる。

クラウド上のデータを基に人工知能を使いながら意思決定がされ、仕事が人から取って代わられる。

お金の不安がなくなる世界に

2021年以降の未来は以下のようになる。

  • オンライン化・自動化がさらに進み、人は付加価値の高い取引や意思決定に時間を使うことができる。
  • 「ポスト資本主義」「シェアリングエコノミー」「信用の見える化」などの流れが進み、お金以外で価値の交換が可能になる。