「キャリアデザイン入門」大久保幸男
著者:大久保幸男
1983年一橋大学経済学部卒業。同年株式会社リクルート入社。1999年にリクルートワークス研究所を立ち上げ、所長に就任。2010年から12年まで内閣府参与を兼任。株式会社リクルートホールディングス専門役員。
キャリアデザインの考え方
キャリアには二つの側面がある。
- 客観的側面(職務経験)
- 主観的側面(仕事に対する自己イメージ)
この二つの形成のために内省と行動を繰り返すことが「キャリアデザイン」。
「筏下り」ー「山登り」モデル
この筏下りから山登りへの移行に成功すれば、キャリアの成功が見えてくる。
年齢段階別 キャリアデザインの方法
中学や高校時代
- 進学にするにしても就職の道を一旦検討することでキャリア選択の練習をするべき
大学時代
- 内省よりも行動を重視
- 仕事をすることのリアリティを得るべき
- 迷ったらモラトリアムではなく、むしろ就職して自分を鍛えられる環境を作ることが大事
新入社員時代
- 同期よりも先輩や上司とのタテのコミュニケーションを重視
- まずは目の前の困難を乗り切る
30歳超える頃
- 専門領域を決める準備をすべき
このキャリア全体を通じて、対人・対自己・対課題能力を鍛え、基礎力を完成させることがキャリアの成功につながる。
基礎力を身につける
基礎力とは、どのような仕事をするにしても必要となる能力。
基礎力の概念図
基礎力とは、①②③の能力を中心として、④⑤を加えたものとも言い換えれる。
①対人能力
- 親和力=他者との間に豊かな関係を気づく力
- 協働力=目標に向けて他者と協力しながら仕事を進める力
- 統率力=場を読み、組織を動かす力
②対自己能力
- 感情抑制力=気持ちの揺れを制御する力
- 自身創出力=前向きな考え方ややる気を維持する力
- 行動持続力=主体的に動き、良い行動を習慣づける力
③対課題能力
- 課題発見力=課題の所在を明らかにし、必要な情報分析を行う力
- 計画立案力=課題解決のための適切な計画を立てる力
- 実践力=立案された計画に基づき、それを実際の行動に移す力
④処理力
- 「言語的処理力」「数量的処理力」の二つに分けられる
⑤思考力
- 「論理的思考力」「創造的思考力」の二つに分けられる
基礎力を適切な段階で身につけることで、キャリアの成功を実現する基盤を作ることができる。
感想
「キャリアを考えるべき」って人から聞いてはいたけど、本読んだりイベント行ったりしてなくて、今までキャリアを言語化できてなかったけど 、この本を読んでキャリアの捉え方の一つの方法を学べてよかった。
基礎力の要素分解に関しては、人それぞれの分解のやり方があるなと思うし、人それぞれでいいとも思った。社会背景によっても求められる力は変わるから、時代の流れとともに基礎力の要素も変わってくと思う。
調べてみたら、こんな能力の要素分解の方法もあった。
仕事は、人生の大きな割合を占めるから、「この仕事するため(社会を作るため)に生まれてきたんだな」と思える天職見つけたい。そのためにもキャリアデザインを考えることが大事。(今回は真面目な感想となりました。)