「Running Lean - 実践リーンスタートアップ」アッシュ・マウリヤ
著者:アッシュ・マウリヤ
USERcycleの創業者。7年前に最初の会社をブートストラッピングして以来、5つの製品と1つのピアツーウェブアプリケーションフレームワークをローンチしている。テキサス州オースティンに妻と2人の子どもと一緒に住んでいる。
Running Leanとは
Running Leanとは、リソースを使い切る前にプランAからうまくいくプランへと反復的に移行する体系的なプロセスのこと。
この本は、課題/解決フィットを見つけるところから、Running Leanを製品に適用する手順を時系列に並べて説明している。
プランAを文章化する
最初の手順は、ビジョンを書き出して、少なくとも1人の人間と共有すること。
使用するフォーマットは「リーンキャンバス」。リーンキャンバスとは、ビジネスモデルを9つの部品に分解し、リスクの高いものから体系的にテストするもの。
起業家は「ソリューション」に夢中になるが、やるべきことは最高のソリューションの構築ではなく、ビジネスモデルの全体像を把握して、各要素をうまくまとめること。
プランで最もリスクの高い部分を見つける
「成功する製品を構築する 」= 「リスクを緩和する」。スタートアップの最も大きなリスクとは、誰も欲しくないものを作ること。
スタートアップの3つのステージ
- 課題/解決フィット
- 製品/市場フィット
- 拡大
第1ステージ「課題/解決フィット」
重要な質問:解決に値する課題はあるのか?
- 【必要性】それは顧客が必要としているのか?
- 【成長性】顧客はお金を支払ってくれるか?支払わないのであれば、誰が支払ってくれるか
- 【実現性】それは解決可能か?
第2ステージ「製品/市場フィット」
重要な質問:誰かに必要とされるものを構築したか?
MVPを構築できたら、そのソリューションがどれだけ課題を解決しているかをテストする。
第3ステージ「拡大」
重要な質問:どうやって成長を加速させるのか?
第2ステージまでは、学習とピボットに集中し、第3ステージからは成長と最適化に集中する。
資金調達に適した時期は、起業家と投資家の目標(=ビジネスの拡大)が一致している第3ステージ。
プランを体系的にテストする
実験(=学習のループ)を行う
実験は、ビジネスモデルの仮説の検証や反証に使うもの。イテレーション(反復)は、製品/市場フィットなどの目標に近づけるためのもの。
イテレーションのメタパターン
- 課題を理解する
- ソリューションを決定する
- 定性的に検証する
- 定量的に検証する
感想
リーンスタートアップの手法をすごく噛み砕いて説明してあり、内容をイメージしやすかった。(仮説検証の話のページで、顧客インタビューのためのメールのサンプルまで載っていたw)
この本の中で好きになった言葉がこれです。
建物の外に出よ。
ー スティーブ・ブランク
製品開発サイクルにあわせて、顧客との継続的なFBを構築するという平行プロセスを説明したものです。要するに、「答えはコンピュータやオフィスにあるのではなく、建物の外にある」ということです。
まさにこれですね。