「人望が集まる人の考え方」レス・ギブリン
著者:レス・ギブリン
アメリカの心理カウンセラー。人間関係のエキスパートとして知られ、人間の本質に関する深い洞察が好評を博す。
人間の習性をうまく活用する
成功と幸福を手に入れる方法
成功と幸福をもたらす最大の要素は、人間関係の技術である。人間関係の技術をしっかりマスターすれば、成功への道のりの約85%と幸福への道のりの約99%の地点に達することができる。
人間関係で大切なのは、他人とうまくやっていきながら、満足感を得ると同時に相手の自尊心を満たす方法を見つける方法である。
人を動かす基本的は秘訣
人間関係の4つのルール
- すべての人は程度の差こそあれ自分本位である
- すべての人は自分に最も強い関心を抱いている
- すべての人は自分が重要だと感じたがっている
- すべての人は他人に認められたいと思っている
人々はたいてい自分の自尊心を満たすために行動するから、正論を説くよりも相手の自尊心を満たす方が人を動かす上で効果的である。
自分の「隠れ資産」を有効に使う方法
3つの隠れ資産
- あなたは他人の価値を認める力を持っている
- あなたは他人が自分を好きになるのを手伝う力を持っている
- あなたは他人を受け入れて大切に扱う力を持っている
相手の重要感を満たすために最善を尽くすことによって、自分が失うものは何一つなく、得るものばかりである。
他人の行動と態度をコントロールする方法
前提として、すべての人は絶えず相手の行動と態度をコントロールしている。まるで鏡の前に立っているかのように、相手はあなたの行動と態度を反映する。例えば、相手を信頼していることを知らせれば、相手は自分が信頼に値する人物であることを証明しようと努めるのである。
相手に良い第一印象を与える方法
自分が望む「主音」で会話を始めれば、相手の行動と態度を驚くほどコントロールすることができる。自分の最初の言葉、動作、態度、があなたの「主音」となる。
自覚しているかに関わらず、あなたは他人と関わるたびに特定の舞台を設定している。あなたが相手に与える第一印象は、あなたがあなたに対していつまでも抱く「主音」となる可能性が高い。
友情をはぐくんで相手を味方につける
人々を惹きつける3つの条件
第1の条件 相手を受け入れる
- 自分らしく振舞う権利を相手に与えよう
- 他人を変える力を持っている人はいないが、相手をあるがままに受け入れることで、自分を変える力を相手に与えることができる
第2の条件 相手を認める
- すべての人が自分を認めて欲しいと強く思っている。人はみな承認願望を持っている
- 人を褒める時の一つのルールは、目立たない長所を褒めることである。
第3の条件 相手を尊重する
- 相手を尊重する=相手の価値を高く評価する
- 相手に感謝し、相手を待たせず、相手を特別扱いすることが大事である
相手とすぐに打ち解ける方法
相手が心を開いてくれるのを待ってはいけない。相手が友好的な態度をとってくれることを想定して自分から積極的に、相手にとって欲しい行動をとるすべきである。
感情が行為を決定するのと同様に、行為が感情を決定する。毎朝、鏡の前で微笑む練習をし、心のこもった微笑みを見せる努力をすべきである。
効果的な話し方で成功する
言葉で表現する能力を磨く方法
成功と幸福は、自分を表現する能力によって大きく左右されるので、常に自分の話し方を改善しなければならない。
会話上手な人になるためには、いきなり独創的な話をするのではなく、ありきたりなことから話すべきである。そして、相手に自分自身のことについて話すお膳立てをする。自分のことを話すように求められた時が、自分のことを話すタイミングである。
聞き上手になる方法
相手の言い分に共感して理解のある態度を示すことが、人望を集める最も効果的な方法である。しかし、相手の話をじっくりきくという単純な方法を実行している人はごくわずかしかいない。
オリバー・ウェンデル・ホームズ
相手の発言に興味を持っていることを示す。
- 相手の顔を見る
- 賛同するときは、頷く
- 相手の方に身を乗り出す
- 相手に質問する
- 話しての話題に従う
- 話し手の言葉を使って自分の意見を伝える
たちまち相手の賛同を得る方法
説得するとき、反対意見を持つ人を論破したくなるのが自然な衝動だが、本来の目的は相手から賛同を得ることである。プレッシャーをかけず、脅し悪戦を使わないで冷静に事実を提示することが、自分の考え方を相手に受け入れさせる最善の方法である。
人々にうまく働きかける
相手の全面協力を得て成果を上げる方法
相手に頼み事をしても嫌な態度をとる場合がある。産業心理学によると、相手は手伝いたいわけではなく、知力と体力の両方を働かせるよう依頼されないので、全面的に協力することができないのである。
アドバイスを求めると、相手は自分が信頼されていることを実感し、親近感を抱く。
人間関係で奇跡を起こす方法
落ち込んでいる、いい加減な仕事をする、付き合いづらい人は、低い自尊心のために悩んで切る可能性が高い。心のこもった褒め言葉は、健全な意味で相手の人尊信を高めて行動を改善する「奇跡の妙薬」としての役割を果たす。
褒め言葉をかける時の2つのルール
- 誠実な気持ちでいる
- 相手そのものより相手の行為や性質を褒める
相手を怒らせずに注意を与える方法
注意を与えることの本当の目的は、相手をおとしめることではなく、相手を向上させることである。
相手に注意を与えて成果をあげるための7つのルール
- 1対1で注意を与える
- 褒め言葉で前置きをする
- 相手の言葉に注意を与える
- 正しい方法を与える
- 要求ではなく、依頼する
- 注意は1回にとどめる
- 友好的に話を終える
感想
この本の本当のタイトルは「How to Have Confidence and Power in Dealing with People」で、日本語訳のタイトル通りの、人望の集まる考え方というより、どう人と向き合うべきかってことが心理学的に書かれていて、面白かった。
おそらく、人望がすでにある人はこんな本を読もうとは思わないので、多分自分は、心のどこかで人望が欲しいと思っているのだと思う。うん、思っている。もらえるなら人望欲しい笑
人望を得るためにこの本を実践しようと思うけど、当たり前の人との付き合い方しか書いてなかった。自分が当たり前と思っている、人との正しい付き合い方は、小さい頃から親に教わってきたものだから、おれの親すごいなと思った笑
多分、ほんとはおれの親はすごくなくて、正しい人との付き合い方というのは普遍的なもので、人間みんなわかっていることだと思う。これを "実践する" のが難しいだけで。お金とか一時の感情に流されたり、時と場合の微妙な条件によって、人の意思決定が左右されて、正しい人との付き合い方ができないだけだなと。人間は根本に生存欲求があるから、自分のことを第一に考えてしまうことは仕方のないことだけれど、それを踏まえて、人のことを考えて行動することが大事だと感じた。