5分で読めるブックレポート

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「社会人」「IT」「マーケティング」における基礎知識の本を3日に1冊要約していきます。

「未来に先回りする思考法」佐藤航陽

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著者:佐藤航陽

株式会社メタップス代表取締役社長。1986年福島県生まれ。早稲田大学法学部中退。大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立し代表取締役に就任。2011年に人工知能を活用したアプリ収益化支援プラットフォーム「metaps」を開始。これまで累計57億円の資金調達を実施し、東京、シンガポール、香港、台湾、上海、サンフランシスコ、ソウル、ロンドンの世界8拠点で事業を展開。2014年より決済サービス「SPIKE」を開始。2015年のフォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」に選出。

 

 

テクノロジーの進化には一本の「流れ」がある

テクノロジーの3つの本質

  1. 人間の拡張
    • 蒸気や電力も人間の動力を何万倍に拡張させたテクノロジー
    • コンピュータやインターネットは、人間の知性を拡張したテクノロジー
  2. 人間への教育
    • 人間は課題を解決するためにテクノロジーを発明する
    • 時を経るにつれそのテクノロジーは社会構造に深く組み込まれ、いつしかそのテクノロジーの存在自体が人間の行動を縛るようになる
  3. 掌から宇宙へ
    • 掌の上にあった道具は、体を離れ器具となり、室内から室外へ設置され、移動手段となり、重力を克服し、さらには地球を飛び出し宇宙へと向かっている

 

あらゆる物体に宿る知性

確実に到来が予想されるのが、あらゆる物体に「知性」が宿る世界。これは、モノのインターネット化のさらにもう一段階先の話。

 知性の発達の4プロセス

  1. 膨大な情報を蓄積する
  2. 蓄積された情報から人間が手動で改善に繋げる
  3. 蓄積された情報から人間がパターンを抽出し、そのパターンをシステムに検知させ改善に繋げる
  4. パターン認識そのものから改善のための判断までシステムが行う

単にモノがインターネットに繋がっただけでは1〜3を行うのみ。しかし、クラウド化されたAIが4までこなせれば、それはもはや「知性」。情報を送受信するだけのセンサーは、自律的に学習し行動する、知性を持ったコンピュータに変化していく。

 

すべてを「原理」から考えよ

原理に立ち返って考える

テクノロジー同様、社会システムも「必要性」が高まったために生まれた。その後、その「必要性」をより効率的に満たすことのできるテクノロジーが普及したとき、社会システムに変化が生じる。例)産業革命

 

塗り替えられる近代の社会システム

国家

国家は、領土と国民と権力を持っているが、それらは新しいテクノロジーによって変化をしていく。

例えば、領土。より効率的でよりスピーディーに資本を増やしていく方法を探していくと、経済の中心は農業や工場から、金融や情報通信などの非物質的な分野に移っていくのが必然的な「流れ」。インターネットや金融といった地理的な要素に縛られない産業が経済の中心になるほど、領土という要素の重要性は下がっている。

 

政治

ビジネスも政治も、目的はまったく一緒で、そのアプローチが異なるだけ。何かに困っている人たちのニーズを汲み取り、その解決策を提示するというプロセスは共通している。しかし、政治の世界に入るよりも、機動性も柔軟性も高いビジネスの世界で勝負した方が、結果的に早く課題解決ができるかもしれない。

インターネットの力で何千万人という国民の意見を収集し分析することができ、税金でなくクラウドファンディングを行えば、資金を集めることができる。

 

資本主義

私たちの社会は情報社会の普及とともに「貨幣」を中心として資本主義から貨幣換算が難しい「価値」を中心として社会に移行しつつある。例えば、財務諸表という、すべてがデータ化される時代の前につくられた指標だけでは、すでに正確な企業の価値を測れなくなっている。

情報を扱う企業にとって、「情報」=「価値」となる。最終的には、資本と情報の価値が逆転する世界が成立する。

 

テクノロジーは人類の敵なのか

「ロボットが仕事を奪う」に欠けている視点

テクノロジーによる効率化は、労働者にとって収入を減らす可能性があるのと同時に、消費者に対してのコスト削減というメリットももたらす。理論上は、あらゆるサービスは価格競争の末、無料に近づいていく運命にある。

このようにあらゆるもののコストが下がっていく中で、今後は労働自体の主要が減り、30年後には週休4日の未来が到来してもおかしくはない。

 

人間にとって最大の脅威は人間である

サイバーセキュリティ

今後インターネットは、家、ビル、自動車など社会の隅々にまで接続され、それらの情報が不正に乗っ取られた場合、その脅威は計り知れない。

テクノロジーの拡張の範囲が社会全体に拡がっていけばいくほど、社会に対するネカティブな影響力もまた拡がっている。

 

グローバルIT企業と政府の協働

アメリカや中国の企業のように、サービスが世界レベルのシェアを獲得した場合、そのサービスを提供する企業と国家が組めば、他国にとって大きな脅威になる。仮にアメリカ政府がSNSを運営する企業から情報を取得することが可能になれば、アメリカは世界中の個人の行動をリアルタイムで把握できるようになる。

 

戦争とロボット

ロボットは、お年寄りの介護などの方面で人類の生活をはるかに豊かにする「薬」にもなるが、一度戦争やテロなどの目的で使われれば大きな「毒」にもなりえる。

テクノロジーの人類への影響力が高まっていく以上、その負のインパクトも大きくならざるをえない。

 

未来に先回りする意思決定法

未来に先回りするために重要なこと3つ

  1. 常に原理から考える
    • 原理から考えるためには、そのシステムがどんな「必要性」を満たすために生まれたかを、歴史を踏まえて考える
    • 現在はただの「点」にすぎず、過去を踏まえた長期的な変化の「線」で考えなければならない
  2. テクノロジーの現在地を知る
    • テクノロジーが使え、そのポテンシャルがわかるだけでは意味がない
    • そのテクノロジーがなぜ誕生し、どんな課題を解決してきたかをしる必要がある
  3. タイミングを見極める
    • ビジネスの世界でアクションを起こすことは、電車に乗ることと似ている。リソースという「切符」を持ち、タイミングを読み電車に乗る必要がある
    • 遠くまで行ける電車を見抜けるかどうかは、乗客の未来を読む力に委ねられている

 

いずれくる未来の到達を早めるために

誰がいつ実現するかは最後までわからないが、何が起きるかについては、おおよその流れはすでに決まっている。人が未来をつくるのではなく、未来の方が誰かに変えられるのを待っている。

私たちにできることは、一つでも多くの不幸をなくすことくらいでしょう。いつか誰かが実現する未来だったとしても、その到来を早めることは、多くの人にとって価値のあることと言える。

 

感想

この本は、社会システムや企業の戦略などの過去の「点」を繋げて「線」としてうまくまとまめてあって、「だからこの出来事の次にこの出来事が起こったのか」 と納得しながら読むことができた。このパターンをうまく利用し、未来にも何が起きるのか考えるべきとわかった。タイトル通り「未来に先回りする思考法」が書いてあった。

 

AIによって、人間が取って代わられる話では、僕も悪いことだけではなく、その分、AIによって暮らしが豊かになるメリットの方が大きいと思う。将来、小学生の孫に「おじいちゃんが若かった頃って、人間なのに機械的な作業をやって、週5で夜まで働いてたんだね。今は週3勤務が当たり前で、残りの時間は人間らしく過ごして、趣味もできてQOL高めだよー」と子供の純粋さによるディスりを受けるのかなと思った。

でも、そんな快適な世界を孫につくれるなら、嬉しいし、そんな世界を作る仕事をしたいとこの本読みながら思った。(将来結婚できて、孫ができる前提で話をしています、一応。反論は受け付けません。)