「読んだら忘れない読書術」樺沢紫苑
著者:樺沢紫苑
精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。メールマガジン「精神科医・樺沢紫苑公式メルマガ」など15万部以上を配信している。インターネット・メディアを駆使して、精神医学、心理学の知識や情報をわかりやすく発信している。
読書によって得られる8つのこと
①結晶化された知識
単なる羅列された文字情報でなはく、実践可能で応用可能で行動につながり、10年経っても風化することのない 「結晶化された知識」を得られるのが本である。
②時間
本には、何千人もの成功と失敗の体験が載っていて、その知識から無駄を避け、膨大な時間を節約することができる。
③仕事力
アウトプット量を上げるには、インプット量を上げなければいけない。ライバルに圧倒的に差をつける第一歩が、読書量を増やすことである。
④健康
ある研究で、読書、音楽視聴、コーヒー、ゲーム、散歩の中で、読書が最も高いストレス解消効果が得られた。6分間の読書で、ストレスを2/3以上軽減できる。
⑤頭が良くなる
読書は「物知り」にさせるだけでなく、「地頭が良くなる」「知能が高くなる」「脳が活性化し、脳のパフォーマンスが高まる」と、多くの脳科学研究が示している。
⑥人生の変化
読書で将来の選択肢が広がる。自分の頭でいくら状況を打開する方法を考えても、限界がある。
⑦自己成長
読書によって「考え方」だけでなく、実際に自分の「行動」が変化し、自分を取り巻く現実が少しでも良くなるような読書をすることで、確実に自己成長する。
⑧喜び
読書は「最高の娯楽」である。楽しみながら読むだけで、記憶にも残り、学びにもなる。
読んだら忘れない 読書術 3つの基本
①記憶に残る読書
脳が「重要な情報」と判断する基準は「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」の二つ。すなわち、1週間に3回アウトプットを行い、ノルアドレナリン・ドーパミン・エンドルフィンなどの記憶を高める脳内物質を意識的に分泌させることが大事。
②スキマ時間読書
人生の1割に相当するスキマ時間を「浪費」に使うのか、「自己投資」に使うのかで、人生は変わる。「今日1日でこの本を読む!」と目標設定をし、制限時間を決め緊張感を出すことで、読んだ内容も記憶に残りやすくなる。
③深読読書
「本を読んだ」の定義は、「内容を説明できること」「内容について議論できること」。「深読」は読書の必要条件であり、「深読」できるようになってから、「速読」「多読」を目指すべき。
読んだら忘れない 読書術 2つのキーワード
記憶に残る読書術のキーワードは「アウトプット」「スキマ時間」。
アウトプット読書術
- 「気づき」の一節にマーカーを引く
- 複数の切り口で人に本を勧める
- 「気づき」をSNSでシェアする
- レビューを翌日以降に書く
スキマ時間読書術
- 集中力UPのため制限時間を決める
- スキマ時間を、集中力を最大に発揮できる15分に設定する
- 記憶に残りやすい寝る前に読書する
読んだら忘れない 読書術 超実践編
「読んだら忘れない読書術」3つの原則と、2つのキーワードを抑えたので、次はその「HOW TO」について紹介している
目的地を把握する
本を読む前に、パラパラと全体を見通し、「目的地」と「行き方」を決めてしまう。
パラパラ読みをする目的3つ
- 全体を把握する
- 本を読む目的を設定する
- 「速読」か「精読」かを決める
知りたい部分を先に読む
本は最初から1字1句読む必要はない。本は「学び」や「気づき」を得るために読むので、その最適な読み方をする必要がある。
最初に「目的地」を把握しておくことで、何倍も早く目的のページに到達することができる。
自分にとって少し難しい内容の本を読む
人間の脳は、「自分の能力よりも少し難しい課題」に取り組んでいるときに、最も活性化する。テレビゲームと同じで、2,3度失敗して、要領を掴んでなんとか次のステージに進める、ギリギリの難易度が学びを最大化する。
幸福感に包まれて読む
ワクワクして読むと30年以上鮮明に記憶できる。50歳前後の大人たちが「北斗の拳」の話を詳細に記憶しているのは、ワクワク感に包まれているときに分泌されている脳内物質ドーパミンのせいである。
ドーパミンは、モチベーションを高めてくれる重要な物質であり、かる記憶力も高まる。
著者に会いに行って勉強する
本で文字として書ききれなかった非言語メッセージを受け取ることで、本の内容を何倍も深く理解できるようになる。
「読書」というのは、インプットの入り口であり、その著者からの学びの入り口でもある。
読んだら忘れない 本の選択術
ホームラン読書術
読書は「たくさん読む」よりも「何を読むか」の方が10倍重要。1冊1冊を真剣に選ぶことで、真に自己成長につながる「ホームラン本」と出会う確率を飛躍的に高めることができる。
守破離読書術
情報も知識も、今の自分に必要なものを集め、吸収すべき。
守破離とは、武道における学びの姿勢を示す言葉。
「守」は、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むこと
「破」は、師の流儀を極めた後に他流を研究すること
「離」は、自己の研究を集大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すこと
読む本における分野について、自分が「守破離」のどのステージにいるのかを見極めることで、自ずと最も必要な本が明らかになる。
入門書読書術
まずは、入門書にで基礎知識と全体像を把握する。基礎体力を養ってから、次のステージに進むことで、時間の節約とともに、より深い学びを得ることができる。
お勧め読書術
「なりたい人」の本、「なりたい人」の推薦する本をチェックする。評論家やキュレーターが推薦している、もしくはレビューの高い本からある程度候補を絞り、最後に「自分の選択眼」で決断して選ぶ方が、ハズレが少なく効率がいい。
セレンディピティ読書術
セレンディピティとは、思わぬものを偶然に発見する能力のこと。
書店で偶然棚を見て、予期せぬ本を見つけることがある。これは偶然ではなく、「選択的注意」であり、無意識的に注意力を働かせて「選択」をしている。このように、「情報フィルター」をあらかじめ準備しておくことで、ホームラン本と出会う確率は倍増する。
数珠つなぎ読書術
読んでいる本の内容についてもっと深く知りたいと思った場合は、その本の「参考文献」の中から興味深い本をピックアップして読んでいけば、その分野の知識が深まる。人間の記憶は芋づる式になっているので、そのような「固め読み」した方が圧倒的に記憶に残りやすい。
感想
僕は読んだ本を毎回要約してるからか、人と話してるときや外を歩いてるときに、「これは〇〇の本で読んだことに似てるな」「〇〇の本で言ってた〇〇の意味と同じ意味だな」とか思い出すことがあって、時々は本から得た内容が実生活に生かされてると感じる時がある。だけど、この本の著者、樺沢紫苑さん曰く、3回のアウトプットが必要で、しかも1週間以内に。。
ということで、自分なりの3回のアウトプットを真面目に考えてみた。
- 要約の記事を書く
- もうすでにこのブログでやっているから、それを続ける。
- 誰かに本の内容を話す
- 友達の少ない僕にとって、これは至難の技だが、毎日図書館で作業をしながら、学部の後輩を待ち伏せする。
- 身近な友達に電話する
- アウトプット2つ目と似てるが、これしか思いつかなかった。(この時点でアウトプット下手)
- 「なぜ、こいつは本の説明のために毎回電話してくるのか?」と不安がられないように、"身近な" 友達というところがミソ。
今日から実践してみますが、いいアウトプット3つ目が思い浮かぶ方は、教えてください。友達の作り方もお待ちしています。