「読んだら忘れない読書術」樺沢紫苑
著者:樺沢紫苑
精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。メールマガジン「精神科医・樺沢紫苑公式メルマガ」など15万部以上を配信している。インターネット・メディアを駆使して、精神医学、心理学の知識や情報をわかりやすく発信している。
読書によって得られる8つのこと
①結晶化された知識
単なる羅列された文字情報でなはく、実践可能で応用可能で行動につながり、10年経っても風化することのない 「結晶化された知識」を得られるのが本である。
②時間
本には、何千人もの成功と失敗の体験が載っていて、その知識から無駄を避け、膨大な時間を節約することができる。
③仕事力
アウトプット量を上げるには、インプット量を上げなければいけない。ライバルに圧倒的に差をつける第一歩が、読書量を増やすことである。
④健康
ある研究で、読書、音楽視聴、コーヒー、ゲーム、散歩の中で、読書が最も高いストレス解消効果が得られた。6分間の読書で、ストレスを2/3以上軽減できる。
⑤頭が良くなる
読書は「物知り」にさせるだけでなく、「地頭が良くなる」「知能が高くなる」「脳が活性化し、脳のパフォーマンスが高まる」と、多くの脳科学研究が示している。
⑥人生の変化
読書で将来の選択肢が広がる。自分の頭でいくら状況を打開する方法を考えても、限界がある。
⑦自己成長
読書によって「考え方」だけでなく、実際に自分の「行動」が変化し、自分を取り巻く現実が少しでも良くなるような読書をすることで、確実に自己成長する。
⑧喜び
読書は「最高の娯楽」である。楽しみながら読むだけで、記憶にも残り、学びにもなる。
読んだら忘れない 読書術 3つの基本
①記憶に残る読書
脳が「重要な情報」と判断する基準は「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」の二つ。すなわち、1週間に3回アウトプットを行い、ノルアドレナリン・ドーパミン・エンドルフィンなどの記憶を高める脳内物質を意識的に分泌させることが大事。
②スキマ時間読書
人生の1割に相当するスキマ時間を「浪費」に使うのか、「自己投資」に使うのかで、人生は変わる。「今日1日でこの本を読む!」と目標設定をし、制限時間を決め緊張感を出すことで、読んだ内容も記憶に残りやすくなる。
③深読読書
「本を読んだ」の定義は、「内容を説明できること」「内容について議論できること」。「深読」は読書の必要条件であり、「深読」できるようになってから、「速読」「多読」を目指すべき。
読んだら忘れない 読書術 2つのキーワード
記憶に残る読書術のキーワードは「アウトプット」「スキマ時間」。
アウトプット読書術
- 「気づき」の一節にマーカーを引く
- 複数の切り口で人に本を勧める
- 「気づき」をSNSでシェアする
- レビューを翌日以降に書く
スキマ時間読書術
- 集中力UPのため制限時間を決める
- スキマ時間を、集中力を最大に発揮できる15分に設定する
- 記憶に残りやすい寝る前に読書する
読んだら忘れない 読書術 超実践編
「読んだら忘れない読書術」3つの原則と、2つのキーワードを抑えたので、次はその「HOW TO」について紹介している
目的地を把握する
本を読む前に、パラパラと全体を見通し、「目的地」と「行き方」を決めてしまう。
パラパラ読みをする目的3つ
- 全体を把握する
- 本を読む目的を設定する
- 「速読」か「精読」かを決める
知りたい部分を先に読む
本は最初から1字1句読む必要はない。本は「学び」や「気づき」を得るために読むので、その最適な読み方をする必要がある。
最初に「目的地」を把握しておくことで、何倍も早く目的のページに到達することができる。
自分にとって少し難しい内容の本を読む
人間の脳は、「自分の能力よりも少し難しい課題」に取り組んでいるときに、最も活性化する。テレビゲームと同じで、2,3度失敗して、要領を掴んでなんとか次のステージに進める、ギリギリの難易度が学びを最大化する。
幸福感に包まれて読む
ワクワクして読むと30年以上鮮明に記憶できる。50歳前後の大人たちが「北斗の拳」の話を詳細に記憶しているのは、ワクワク感に包まれているときに分泌されている脳内物質ドーパミンのせいである。
ドーパミンは、モチベーションを高めてくれる重要な物質であり、かる記憶力も高まる。
著者に会いに行って勉強する
本で文字として書ききれなかった非言語メッセージを受け取ることで、本の内容を何倍も深く理解できるようになる。
「読書」というのは、インプットの入り口であり、その著者からの学びの入り口でもある。
読んだら忘れない 本の選択術
ホームラン読書術
読書は「たくさん読む」よりも「何を読むか」の方が10倍重要。1冊1冊を真剣に選ぶことで、真に自己成長につながる「ホームラン本」と出会う確率を飛躍的に高めることができる。
守破離読書術
情報も知識も、今の自分に必要なものを集め、吸収すべき。
守破離とは、武道における学びの姿勢を示す言葉。
「守」は、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むこと
「破」は、師の流儀を極めた後に他流を研究すること
「離」は、自己の研究を集大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すこと
読む本における分野について、自分が「守破離」のどのステージにいるのかを見極めることで、自ずと最も必要な本が明らかになる。
入門書読書術
まずは、入門書にで基礎知識と全体像を把握する。基礎体力を養ってから、次のステージに進むことで、時間の節約とともに、より深い学びを得ることができる。
お勧め読書術
「なりたい人」の本、「なりたい人」の推薦する本をチェックする。評論家やキュレーターが推薦している、もしくはレビューの高い本からある程度候補を絞り、最後に「自分の選択眼」で決断して選ぶ方が、ハズレが少なく効率がいい。
セレンディピティ読書術
セレンディピティとは、思わぬものを偶然に発見する能力のこと。
書店で偶然棚を見て、予期せぬ本を見つけることがある。これは偶然ではなく、「選択的注意」であり、無意識的に注意力を働かせて「選択」をしている。このように、「情報フィルター」をあらかじめ準備しておくことで、ホームラン本と出会う確率は倍増する。
数珠つなぎ読書術
読んでいる本の内容についてもっと深く知りたいと思った場合は、その本の「参考文献」の中から興味深い本をピックアップして読んでいけば、その分野の知識が深まる。人間の記憶は芋づる式になっているので、そのような「固め読み」した方が圧倒的に記憶に残りやすい。
感想
僕は読んだ本を毎回要約してるからか、人と話してるときや外を歩いてるときに、「これは〇〇の本で読んだことに似てるな」「〇〇の本で言ってた〇〇の意味と同じ意味だな」とか思い出すことがあって、時々は本から得た内容が実生活に生かされてると感じる時がある。だけど、この本の著者、樺沢紫苑さん曰く、3回のアウトプットが必要で、しかも1週間以内に。。
ということで、自分なりの3回のアウトプットを真面目に考えてみた。
- 要約の記事を書く
- もうすでにこのブログでやっているから、それを続ける。
- 誰かに本の内容を話す
- 友達の少ない僕にとって、これは至難の技だが、毎日図書館で作業をしながら、学部の後輩を待ち伏せする。
- 身近な友達に電話する
- アウトプット2つ目と似てるが、これしか思いつかなかった。(この時点でアウトプット下手)
- 「なぜ、こいつは本の説明のために毎回電話してくるのか?」と不安がられないように、"身近な" 友達というところがミソ。
今日から実践してみますが、いいアウトプット3つ目が思い浮かぶ方は、教えてください。友達の作り方もお待ちしています。
「手書きの戦略論」磯部光毅
著者:磯部光毅
磯部光毅事務所アカウントプラナー。1972年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、1997年博報堂入社。ストラテジックプランニング局を経て、制作局(コピーライター)に転属。2007年独立し、磯部光毅事務所設立。受賞歴にニューヨークフェスティバルズAME賞グランプリ、ACC CMフェスティバルME賞メダリストなど
ポジショニング論
ポジショニング論は、「違い」が人を動かすと考える戦略論。そもそも、ポジショニングとは、顧客のニーズを汲み取りながらお客さんの頭の中で、競合と違った位置付けを得ること。
ポジショニングをする上で、自ブランドにとって有利に働く競争軸を発見することが大切。ライバル商品との対立構造で立案するとクリアな戦略が作りやすい。
自ブランドを魅力的に見せる2つの方法
- オーバーテイク型
- 既存の価値軸の中で競合に勝る違いをつくる
- カテゴリーメイク型
- 全く新しい価値軸を打ち立てて違いをつくる
強み
- 頭の中の位置付けなので、多様な「違い」の作り方が可能
- お客さんの商品購買に直結する選択肢を提示できる
- 商品の特徴や機能ベネフィットに立脚している
- 広告などで訴求しやすい
弱み
- 市場が成熟し類似品が増えると「違い」の設定が困難
- お客さんの関心が低いカテゴリーだと「違い」を訴求しても響かない
ブランド論
ブランド論とは、「らしさ」の記憶が人を動かすと考える戦略論。その記憶をどのようにお客さんの頭の中に連想構造として残すかがポイント。
ブランドはロジックとマジック、すなわち論理と感情・感覚の両面からつくり出される。
プランニングに必要な4つのポイント
- 固定的な「ブランド」でなく動的な「ブランディング」
- ブランドの中心は、ミッションとビジョン
- 「体験」と「接点」の視点から見直す
- ブランドパーソナリティをしっかり固める
強み
- お客さんの商品・サービスに対する「価値」「好意」「絆」を醸成できる
- プレミアムな価値維持に貢献できる
- 長期的な反復購買を促すことができる
弱み
- 記憶や感情に関わるもので、効果を可視化、数値化しづらい
- 長期記憶に残すことを主眼に置いているので、必ずしも即効性が高くない
- 直接的な購買歓喜に繋がるとは限らない
アカウントプランニング論
アカウントプランニング論とは、「深層心理」が人を動かすと考える戦略論。消費者の心理や行動を理解し、広告開発プロセスに取り込む手法。
インサイト(深層心理)を見つけるのは、データや事象を見たときの「違和感」が出発点。
強み
- 消費者意識が反映された戦略およびクリエイティブが生まれやすい
- インサイトは低関与の人、広告を信じない人の心を動かす力がある
- クリエイティブブリーフという1枚の設計図にまとめることで、戦略のブレをなくすことができる
弱み
ダイレクト論
ダイレクト論とは、「反応」の喚起が人を動かすという戦略論。お客さんの反応を獲得しながら関係を深め、LTV(顧客生涯価値)を高めることを目指す。
強み
- 顕在顧客獲得に強く、売上に直結する
- 即効性がある
- 投資対効果が可視化できる
- 精緻なターゲティングかできる
- 複数の広告展開を同時に行える
- PDCAを早く回せる
弱み
- 潜在顧客へのアプローチは苦手
- 効率を求めすぎて、短期的な視点に陥りやすい
- 比較が容易なネット上では、差別化が十分でないと価格競争になりやすい
- 記憶にアプローチしないので、価値づくり、ブランドづくりが難しい
IMC論
IMC論とは、「接点」の統合が人を動かすと考える戦略論。IMCとは、統合マーケティングコミュニケーション(Integrated Marketing Communication)。複数の接点をつなぎ、接点ごとに最適なメッセージを出し分けることが大切。
カスタマージャーニーは、お客さん一人一人がブランドと接点を持つなか、どう行動や意識が変遷するかを表すもの。
強み
- 複数接点、複数メッセージを繋げることでお客さんとの関係強化が可能
- KPIなどの中間指標で効果が測れる
弱み
- 接点づくりに偏重して、そこで具体的に何を伝え、どう気持ちを動かすのかの視点が弱い
- 接点を細かく分けすぎることで発想や企画が小さくなる
- KPIの運用次第で、数量化しやすいものに偏重したり、手段が目的化する危険がある
エンゲージメント論
エンゲージメント論とは、「関与」が人を動かす戦略論。エンゲージメントとは、お客さんが能動的に関与することで生まれる、心理的な繋がり。
2種類のエンゲージメント法
- キャンペーンセントリック型
- 短期間で瞬発力を持って、多くの人が参加したくなる施策
- オールウェイズオン型
- ユーザーに寄り添い、中長期的な視点でのファン育成を目指す施策
強み
- 広くゆるい関与は、情報伝達を容易にし、なんとなく買いに寄与する
- 深い関与は、口コミの発信源となり、ファンの熱い応援につながる
- 比較的予算がかからない
弱み
- 即効性がない
- 継続的活動なので手間がかかることが多い
- 効果の数値化が難しい
クチコミ論
クチコミ論とは、情報の「人づて」が人を動かすという戦略論。クチコミを通じて、「ファンづくり」と「ムーブメントづくり」を目指す。
クチコミは「共感」「信頼」「憧れ」によって加速する。
SNSで拡散されやすいネタ
- 具体的に役立つ「機能的」なネタ
- 自己顕示欲をくすぐる「社会的」なネタ
- 人を揺さぶる「感情的」なネタ
強み
- 情報の量、信頼性、接触する順番の点で、他メディアを凌駕し始めている
- 低予算で広く拡散する可能性がある
弱み
- 情報の自走が基本なので、アンコントローラブルな部分が多い
- 戦略論としてまだ確立していない
- 効果測定が難しい
7つの戦略論を俯瞰する
戦略論を7つに分けたが、全ての戦略論が正しく、かつ重要である。7つのコミュニケーション戦略は「人を動かす」という同じゴールを目指す上での手段である。
今後、マーケター / プランナーは7つの戦略論を組み合わせ新しいコミュニケーションモデルを発明しなければならない。
発明のキーワードは「シームレス化」
- 行動データがシームレス化
- モノと広告がシームレス化
- テレビとネットがシームレス化
- 販売がシームレス化
- 人とコンピュータがシームレス化
感想
この本を読んで、広告のマーケター、プランナーへの考えが変わった。というのも、
広告の戦略って、どうやって商品やサービスを消費者に販売促進させれるかを考えるっていうイメージだったけど、論理だけでなく感情にも寄り添って、人の心・行動をどう動かすかを考える、面白い業種だなと思った。
その一方で、全てのモノがインターネットに繋がれて、人とモノの接点に毎回広告が出るような時代が来ると、1日で僕に入ってくる情報量も大量になるわけで、個人として情報の正しい取捨選択が必要だし、マーケターとしては、本当にその人に広告として必要な情報を届けることが必要になってくると思った。
クチコミ論の章で、役に立つネタがSNSでシェアされると書いてあったんで、このブックレポートも1記事ごとの質あげてもっとシェアされるように頑張ります!
でも、わかりやすく書こうと思うと、(みなさんお気づきでしょうが)文字数も最近増えちゃってて、、なので「5分で読めないんやけど!」というコメントが来ないうちに頑張りますw
「人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術」古川武士
著:古川武士
習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。日本で唯一の「習慣化」をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術を開発し、個人と法人にコンサルティングや研修を提供している。近年は「朝型&高密度化コンサルティング」を通じて朝型勤務で高い生産性を目指す企業を支援している
悪循環の夜型、好循環の朝型
夜型は多残業の悪循環に陥る。それには3つの原因がある。
- 夜型寝不足によりエネルギーが低い
- 無計画で行き当たりばったりの仕事をする
- 緊急な仕事から始めて、本当に重要な仕事を最後にする
早起きの最大のメリットは、自信が持てるようになること。朝方の好循環の生活を持って、余裕を持ち、自分の時間がしっかり取れている生活を1ヶ月、1年、3年と続けると、他人の評価に左右されない、強い自信につながる。
睡眠というのは、脳が休んでいるのではなく、情報を遮断した状態で自分の経験を整理している状態。よって、朝起きた時は、脳の中も情報がきちんと整理されていて、新しい情報を入れたり、クリエイティブなことをする状態が整っている。
なぜ、早起きは続かないのか?
早起きは習慣化の中で最も難易度が高い。なぜならば、仕事の習慣、家族との時間など、いろんな習慣が複雑に絡み合っているから。早起きは単体ではなく、生活習慣全体で考える必要がある。
早起きが失敗する8つの例
- 一気に5時起きにシフトする
- 起きる時間だけを目標にする
- 睡眠時間を削る
- 生活習慣の全体を一気に良くしようとする
- 突発的・イレギュラーの予定に振り回される
- 早起きへの明確な理由がない
- 手放すものが確定していない
- 早起き + α を同時にやろうとする
根性や意志力に頼らない「起きる技術」
原理原則は「早く寝れば、早く起きられる」。
早起きの技術・基本5原則
- 起きる時間ではなく寝る時間に集中する
- 睡眠負債が発生しないような十分な睡眠をとる
- 一度に一つの習慣を貫く
- センターピンを知る
- 「センターピン」=「寝る時間の決定のキーとなる行動やルール」
- 挫折に導く要因を想定する
睡眠を促す7つの行為
- スマホの電源をオフにし、カバンに入れる
- 静かな自然音やジャズなどの音楽を聴く
- 暗い部屋にする
- 寝る前の儀式をつくる ex )ヨガ
- 寝る2時間前に38度以上の風呂に入る
- 寝る3時間前には食事を済ませておく
- 夕涼みをする
理想の生活習慣に変わる5つのステップ
早起きの究極の目的は「充実した毎日」を送ること。「今日とても楽しい」という満足感と、将来の自分への期待感を合わせて、「充実している」呼べる。
①理想の生活習慣を描く
時間ごとに区切ったタイムスケジュールを紙・エクセルで作成する。
理想の生活習慣を考えるための3つのポイント
- 現状を一旦脇に置いて理想を描く
- 緊急ではないが、重要なことから埋める
- 充実感を得られるかを検証する
②現状の生活習慣を把握する
目的は理想との比較なので、あまり細かい部分にこだわらず、平均的な平日の生活リズムを書く。
③ギャップを明確にする
理想と現実のギャップから、センターピン、ボトルネックを改めて明確にする。
「ボトルネック」=「悪循環に引き戻す要因」
④例外パターンを作る
例外パターンを事前に把握しておけば、柔軟性を持たせることができる。
例外パターン設定での基本方針
- 例外パターンを3日以上連続で続けない
- 最初の3週間は睡眠時間の確保を優先する
- 4週間目を過ぎたら起床時間を優先的に守る
- 多様守れなくても自分を責めない
- センターピンだけは徹底して守る
⑤ベビーステップで始める
人間の脳にとって、変化とは脅威となる。脳は、安定・安全を維持するために、無意識的に変化を排除して「いつも通り」を維持する。よって、徐々にスタートしないと、成功率は下がる。
習慣化までの理想の3ヶ月
短時間で仕事を終わらせる高密度仕事術
1日24時間と決まった時間の中で、未来への投資時間を確保するためには、働く時間の生産性を上げ、短時間に凝縮する必要がある。一般的にはこれを「時短」というが、「高密度化」と提唱する。「高密度化」とは、単位時間あたりの生産性を極限まで高める仕事のやり方。
高密度仕事術の目的は、自分で決めた時間の枠で最大の成果を出すことであり、その密度を高める活動には終わりがない。
高密度仕事術を実現させる3つの原則
- 帰る時間を徹底して死守する
- 超集中できるエネルギーを充電する
- 完璧主義をやめ、最善主義で考える
計画を立てることより振り返りを重視することが大事である。毎日、時間簿をつけて自分の状態を可視化し、問題を明確にし、明日への対策を考える。
感想
脳科学では、目覚めてから2時間を「黄金時間」と言われていると書いてあって、それは自分の体験談からも納得した。自分が休学中、フィリピンの語学学校に通っていた時、このままじゃ自分の英語力が以前立てた目標までに届かないかなと悩んでいる時期があった。そして、ある日、ぐっすり寝た翌朝目覚めたベットの中で、「学校を変えよう!」と思いついて、通っている学校より厳しい学校(平日外出禁止)に転校することを決めたことがあった。
一見、ただの思いつきに聞こえるけど、この本に書いてある通り、起きている時の情報が寝ている時に整理され、決断ができたんだと思う。(たぶん。。)けど、結果としては、目標だったTOEFL ibt 86点を取ることができた。
朝の大切さは「入社1年目の教科書」にも書いてあったから、僕も早起き続けようと思います。
リンク貼ったので、読んでみてください(PV数ください)。
「具体と抽象」細谷功
著者:細谷功
ビジネスコンサルタント。1964年、神奈川県に生まれる。東京大学工学部を卒業後、東芝を経てビジネスコンサルティングの世界へ。アーンスト&ヤング、キャップジェミニなどの米仏日系コンサルティング会社を経て、2009年よりクニエのマネージングディレクターとなる。2012年より同社コンサルティングフェローに。専門領域は、製品開発、営業、マーケティング領域を中心とした戦略策定や業務/IT改革に関するコンサルティング。
抽象化なくしては生きられない
「具体=わかりやすい」「抽象=わかりにくい」という印象は大きな誤解であり、「抽象化を制するものは思考を制す」と言っても過言ではないくらい抽象という概念には威力があり、具体と抽象の行き来を意識することで、間違いなく世界が変わって見える。
「具体と抽象」の比較 ※番号で特徴を対比させている
具体の特徴
- 直接目に見える
- 「実体」と直結
- 一つ一つ個別対応
- 解釈の自由度が低い
- 応用が利かない
- 「実務家」の世界
抽象の特徴
- 直接目に見えない
- 「実体」とは一見乖離
- 分類としてまとめて対応
- 解釈の自由度が高い
- 応用が効く
- 「学者」の世界
日常の中の「具体と抽象」20コ
数と言葉
抽象化を利用して人間が編み出したものの代表例が「数」と「言葉」です。例えば、マグロもサケもカツオもアジも、まとめて「魚」と呼ぶことで、「魚は健康に良い」という表現が可能になっている。
このように何気なく使っていながら、人間の知能の凄さを最も象徴的に表すのが「抽象化」である。
デフォルメ
抽象化とは一言で表現すると、「枝葉を切り捨てて幹を見ること」と言える。
一つの事象から抜き出す特徴の選別は、その時の目的や方向性によって変わる。例えば、「一人の人間」をとっても、「学生」「男性」「22歳」「体重60kgの人」「未婚者」など、さまざまな形の特徴の抽出方法がある。
精神世界と物理世界
言葉には、目に見える物理世界で用いられる場合と、比喩として精神的世界で用いられる場合があり、二つの使い道がある。例えば、「(ボールを)投げる」「(仕事を)投げる」。
物理的な実際の経験を、精神世界の感情や論理にまで延長させて、物理的な世界と応用の世界を頭の中で作り上げることも、抽象化の賜物である。
法則とパターン認識
抽象化の最大のメリットは、複数のものを共通の特徴を以ってグルーピングして「同じ」とみなすことで、一つの事象における学びを他の場面でも適用することが可能になることである。
会話の相手が怒っていたり喜んでいたりする状況を相手の表情から読み取れるのも、暗黙のうちに私たちが相手の顔の動きのパターンを読み取って判断している。
関係性と構造
抽象化は、「関係性と構造」という側面も持つ。
抽象化のツールとして、シンプルな図解があげられる。一つ一つの図形の「個性」を曲りゅおく排して、「丸」「三角」にしてしまい、それらの関係性、相対的な繋がりのみを表現することが図解の主な目的である。
往復運動
「たとえ話」は説明しようとしている対象を具体的に掴んでもらうために、抽象レベルで同じ構造を持つ別の、かつ相手にとって身近な世界のものに「翻訳」する作業と言える。
たとえ話の条件
- たとえの対象が誰にでもわかりやすい身近で具体的なテーマになっている
- 説明しようとしている対象と選んだテーマとの共通点が抽象化され、「過不足なく」表現されている
「共通点と相違点」を適切に掴んでいることが抽象化、ひいてはたとえ話の出来栄えを決定する。
相対的
何が具体で何が抽象かというのは、絶対的なものではなく、お互いの関係性で成り立つものである。つまり、「具体と抽象」は「相対的な関係性」を示す概念である。
例えば、「おにぎり」は「サケのおにぎり」を抽象化した言葉として捉えることもできるが、「食べ物」を具体化した言葉として捉えることもできる 。
本質
抽象度のレベルが合っていない状態での議論は、かみ合わず無駄な労力が使われている。
例えば、「話がコロコロ変わる」と思われている上司がいて、昨日は「Aをやれ」、今日は「Bをやれ」と部下に行ったとする。具体レベルで捉えると、ただの心変わりとみなすことができるが、この上司が常に最善の対応を考えていて、状況の変化によって対応策を変えただけであって、上司の方針は一貫している場合もある。
自由度
抽象は、「解釈の自由度が高い」ことを意味する。
自由度の高さは、「具体派」の人からすると、「だかわよくわかならなくて困る」という否定的な解釈になり、「抽象派」の人からすると、「だから想像力をかきたてて、自分なりの味を出せる」と肯定的な解釈になる。
価値観
上流の仕事(抽象レベル)から下流の仕事(具体レベル)へ移行していくに伴い、事後とをスムーズに進めるために必要な観点が変わっていく。
価値観の比較 ※番号で特徴を対比させている
上流の価値観
- 抽象度高い
- 全体把握が必須
- 個人の勝負
- 少人数で対応
- 創造性重視
- 多数決は効果なし
下流の価値観
- 具体性高い
- 部分への分割可能
- 組織の勝負
- 多人数で対応
- 効率性重視
- 多数決が効果あり
量と質
具体の世界は「量」重視であるのに対して、抽象の世界は「質」重視である。
よい抽象化の一つの絶対的な条件は、「適用できる範囲が広い」ということ。つまり、「一を聞いて十を知る」ことができる法則より「一を聞いて百を知る」ことができる法則の方が、より良い法則と言える。
二者択一と二項対立
「AかBか」というクイズは「二者択一」であり、「具体か抽象か」という相対する二つの概念を比較して考える手法は「二項対立」である。
具体レベルでのみ見ていると、二項対立も「二者択一」に見えてしまい、「世の中そんなに簡単に二つに分けられない」となってしまう。例えば、「〇〇は△△」だとい主調に対して、具体レベルでのみ捉える人は、それに対する例外事項をあげて反論する。
ベクトル
哲学、理念といった抽象概念がもたらす効果は、個別に見ているとバラバラになりがちな具体レベルの事象に「統一感や方向性」を与えることである。
組織一人一人の意思決定に、責任者が個別対応しなくても、哲学のレベルで方向性(ベクトル)が共有されていれば、個別に見える案件も全てその大きな方向性に合致しているかどうかで判断でき、効率的である。
アナロジー
アナロジーとは類推のことで、異なる世界と世界のあいだに類似点を見つけて理解したり 、新しいアイデアを発送したりするための思考法です。
斬新に見えるアイデアも、ほとんどは既存のアイデアの組み合わせであると良く言われるが、アナロジーとは「遠くからアイデアを借りてくる」ための手法と言える。身の回りの「一見遠い世界のもの」をいかに抽象レベルで結びつけられるかが、創造的な発想の根源と言える。
階層
事象を具体レベルのみで見ているか、具体と抽象を結びつけて考えているかは、500ページの本を「短時間でかいつまんで説明」してもらうと良くわかる。
抽象化の能力は、インターネット常に溢れる膨大な情報から自分の目的に合致した情報を短時間で収集したりする場面で力を発揮する。複雑に見える事象を「薄目で見る」ことで抽象化し、まずは大雑把に全体像を理解した上で、どこを詳細に考える必要があるのかを判断することができる。
バイアス
抽象化された知識や法則は、一見「高尚に見える」だけに取り扱いに注意が必要である。
例えば、文法とは、人々が話している言葉の共通ルールを明示的に言語化して、まとめたものである、つまり「具体→抽象」という典型的抽象化の産物と言える。しかし、現在、文法に合っていない表現が人々の前に現れると、それは「間違った使い方」になってしまう。文法という抽象度の高いルールで、実際の会話という具体を縛るという現象が起こっている。
理想と現実
目標設定は、抽象と具体のいずれか一方だけでは不完全である。
抽象度の高い目標ほど一般性が高いため範囲が広く、志が高いように見える(例:世界中の人々を幸せにしたい)。一方で、具体性が高い方が良くも悪くも「現実的」になる(例:プログラミングを毎日勉強する)。
この目標を「世界中の人々を幸せに幸せにしたい。だから、(〜略〜) だから、今はプログラミングを毎日勉強しなければならない」というように具体レベルと抽象レベルを階層化させ、「繋がった目標」にする必要がある。
マジックミラー
抽象度の高い概念は、見える人にしか見えない。抽象側の世界が見える人には具体側の世界は見えるが、具体レベルしか見えない人には抽象側の世界は見えないということである。
例えば、抽象画の場合、写実的な作品と違って「抽象的なメッセージ」を持つので、大部分の人は「理解できない」とその作品を否定する。
一方通行
抽象化というツールは、一度手にしたらなかなか手放すことができず、元に戻ることは難しいという性質がある。
例えば、セブンイレブンでポッキーとファンタを買った学生に、「何してたの?」とその後聞くと、「コンビニでお菓子買ってた」と言う。子供の時から、コミュニケーションでは適度に抽象化することで表現の汎用性が出ることを覚えていってしまう。
共通と相違
高い抽象度レベルの視点を持っている人ほど、一見異なる事象が「同じ」に見え、抽象度が低い視点の人ほど全てが「違って」見える。
具体の世界しか見えてない人ほど、他人に自分の話を一般化されることを嫌う傾向にあり、抽象度の高い思考回路への障害となる。
そのような人は、多種多様な経験を積むことはもちろんだが、本や映画など、芸術を鑑賞することで実際には経験のしたことのないことを疑似体験することで、視野を広げることができる。
抽象化だけでは生きにくい
抽象化能力のもたらす客観視の姿勢は、主観的な感情と衝突する。抽象化思考は、自分中心で生きようとする人間の行動を「阻害」していると言えるかもしれない。
そこで重要となるのは「抽象化」と「具体化」セットで考えることである。福沢諭吉が「高尚な理は卑近の所にあり」と言う言葉を残しているように、過去の知識や経験をつなぎ合わせてさらに新しい知を生み出したのちに、それを再び実行可能なレベルにまで具体化する必要がある。
感想
この本はよかった!!!
抽象的に感想を言ってみました。
はい、ふざけました。。ちゃんと感想言うと、二つ感想があって、
一つ目は、今僕が便利な世の中に生きてるのは、人間が具体と抽象の行き来をするという思考ができるようになったからだなと感じました。数学や物理の法則も自然現象の抽象化の一つで、その法則を使って、また新しい法則を見つけていくという繰り返しを人間が行なって、その結果、あんな重い飛行機を飛ばせたり、こんな便利なスマホができたりしてるなと思った。
二つ目に、自分は抽象的に人・物を捉えがちだなともこの本を読んで、自分を少し知ることができた。例えば、観光中に歴史の建造物を見て、友達は「ここの作りがすごーい」「ここ特徴的ー」ってなるけど、僕は自分の家と同じ「建物」にしか見えなくて、観光が楽しめない。(これはデートで彼女を怒らせるやつです)
また、人間関係もそうで、一人一人個別の実体験や価値観からその人が構成されているってわかっていても、この人はこういう人だなってパターン(〇〇な人たちの一人)と認識した上で、コミュニケーションをとるクセがついてて。。これやりすぎると、時々、人間関係に支障をきたすことを僕は自覚しています笑(笑えない)
最後に、感想をまとめると、やっぱり「この本はよかった!!!」につきます。オススメの本です。
「グロースハッカー」ライアン・ホリデイ
著者:ライアン・ホリデイ
メディア戦略家。19歳で大学を中退した後、多数のベストセラー作家、企業、人気ミュージシャンのアドバイザーを務める。現在はアメリカン・アパレルのマーケティングディレクター
イントロダクション
製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い。
グロースハッカーの目標は、製品自体を数百万人の顧客にリーチする自己永続マーケティングマシンにすることだ。
ー アーロン・ジーン
本書では、グロースハックという新しい手法を紹介する。従来のマーケティングよりも流動的な作業で、ユーザーとインタラクティブに進めるものである。
グロースハックとは、ツールキットというよりも、マインドセットだ。
ー アーロン・ジーン
グロースハックのマインドセットは、製品開発の数週間前に始まるのではなく、製品の開発・設計フェーズから始まる。そのプロセスに沿って、本書はそれを章ごとに説明している。
まずは人が欲しがるものを作れ
マーケティングで絶対やってはいけないことは、 誰が欲しがらないものを売ろうとすることである。
本書で紹介されているairbnbとInstagramはいずれも、グロースハッカーが「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」と呼ぶレベルにサービスが到達するまで、長い時間をかけて調査とイテレーションを行なっている。PMFとは、サービスと顧客のニーズが完全にシンクロする状態を指す。
PMFへの到達はマーケターの仕事である。サービスが開発されてからではなく、アイデアの提供、ルールとガイドライン、そしてフィードバックによって開発に影響を与えていくべき。
自分なりのグロースハックを探して
製品の立ち上げにあたって、これまでマーケターに期待されてきた、無からでっち上げる派手なキャンペーンは必要ない。華やかなグランドオープニングは必要ないが、我々のコアユーザーの関心をとらえるための戦略的なオープニングが必要。
そして、いかに低コストでふさわしい相手に訴求できるかも重要。
実際の初期ユーザーの獲得方法の例
- 招待制にしてプレミアム感を醸し出す【Mailbox】
- サービスが実際より人気と活気が溢れるように見せるため、数百の偽プロフィールを作る【reddit】
- 製品を使えるサービスを一つに絞り、そのサービスの成長に便乗する【PayPal】※PayPalはeBayに便乗した
- サービス場でクールなイベントを開催して最初のユーザーを巻き込む【Myspace, Yelp, Udemy】
- 影響力のあるアドバイザーや投資家を引き込んで、その財力ではなく支持者や名声を利用する【About.me, Trippy】
ここで紹介した手法は全て、「評判を広めよう」とはしていない。大事なのは、何人に認知されるかではなく、何人がサインアップするか。
ユーザーは引き込まなければならない。いいアイデアだけでは不十分。
事業を成功させて収益を上げるためには、マーケティングの方法を、潜在顧客の購買行動プロセスに合わせる必要があるー ブライアン・ハリガン
クチコミを巻き起こせ
クチコミが生まれるのは運ではない。魔法でも、偶然でもない。なぜ話題になり、共有されるかには科学的な理由があるのだ。レシピがあり、公式すらある。
ー アーロン・ジーン
グロースハッカーと一般のマーケターの違いは、グロースハッカーはクチコミを成り行き任せにはできないと理解している点。
グロースハッカーは、ブランディングのために全国ネットのテレビ番組での製品露出の権利を買ったりはしない。その代わりに「ソーシャルカレンシー(社会的通貨)」を無料で獲得する方法を考える。
"ゴー・バイラル"したければ、クチコミの種を製品の中に仕込む必要がある。
ドロップボックスの例を挙げると、サービスのトップページに小さな「無料で容量アップ」ボタンを追加する というシンプルなことを行なった。このプログラムでは、紹介した友達が会員登録後に、友達も自分も無料の500MBのストレージ容量を獲得できるというもの。ボタン設置後に、新規加入ユーザーはおよそ60%増加した。
つかんだユーザーを手放すな
企業はサービスそのものの改善に投資する必要がある。ユーザーがそのサービスから離れられなくなる(そして友達を誘う)まで改善するべき。ビジネスにとっては既に手の内にあるものを定着させたり、最適に改善したりする方が重要。
※コンサルティング会社のBain & Companyによると、顧客の定着率10%アップは、企業価値30%アップに相当する
※調査会社のMarket Metricsによると、既存顧客が購入する可能性は60~70%なのに対し、新規顧客のそれは5~20%だとしている
同時に、ROI(投資収益率)の最大化を目指し、最も効果的なポイントに全精力を注ぎ込むことにも注意すべき。
最後に
例えば、本の出版のような保守的なものでさえ、グロースハックのアプローチを採用できる。
マーケティングとは、顧客の獲得である。そう考えれば、顧客を獲得するための行動全てがマーケティングと言える。
マーケターは人間であり、人間は常に間違えるもの。直感で決めてもうまくはいかず、古いやり方での過ちは非常に高くつく。グロースハックは、失敗のコストを削減し、新しいことを試す自由を与えてくれる。
感想
僕は「グロースハッカー」という言葉を大学1年の時に初めて聞いて、システムに不法侵入して悪いことをする「ハッカー」とは意味が違うんだと思ったのを覚えている。その時にこの本も紹介されていたので、その時読んでおけばよかった。。
自分もこのブログをグロースハックし、1ヶ月間のUU数(ユニークユーザー)を増やそうと思った。今日から「Growth Hacker Nagai」。なんかかっこいい。